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トランプ大統領と習主席の夕食会、関係悪化を回避する好機生かせるか

  • 両首脳は12月1日に約1年ぶりとなる直接会談へ
  • トランプ氏は通商合意の可能性示唆、「停戦」の枠組みで当局者協議

中国の習近平国家主席とトランプ米大統領は12月1日に約1年ぶりとなる直接会談に臨む。既に大きな代償を伴う両国の通商対立が、より幅広い新たな冷戦状態に陥らないようにする最後の好機となるかもしれない大きな賭けだ。ただ、ブエノスアイレスでの夕食会に向かう両首脳の念頭にあるのは非常に異なる目標であるため、投資家の懸念を緩和するような重要な取引への期待を曇らせている。

  習主席にとって今回の首脳会談は、中国と米国の40年にわたる関係を維持する上で鍵となる。習氏はトランプ大統領の輸入関税が招いた経済摩擦が、中国にとって「核心的利益」である台湾などの他の地域や南シナ海の主要な海上輸送レーンに波紋を広げることを阻止したい考えだ。ただ、景気減速や不安定な株式市場、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒への対応を巡る国際的非難が習氏の前途に影を落としそうだ。

  ブッシュ(子)政権で国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長を務めたデニス・ワイルダー氏は「習主席はここで出血を止める方法を見いださねばならない。一層の悪化を食い止めようとするだろう」と予想した。

  一方、トランプ大統領や側近にとって夕食会は、中国による知的財産権の窃盗や技術移転強要といった通商問題を巡る米国側の長年の不満を表明する絶好の機会だ。20カ国・地域(G20)首脳会合に先立ちトランプ大統領ら米当局者は、習主席には目先受け入れ難い条件を提示しながらも、合意に楽観的な見通しを示している。

  事情に詳しい複数の関係者によると、双方の当局者は一時的な「停戦」の可能性の枠組みについて数週間にわたり作業してきた。米国が中国側の譲歩と引き換えに対中関税の引き上げを遅らせる形となるもようで、両首脳はまた、ロス商務長官らが明言しているようなさらなる協議に向けた枠組みでも合意する必要がある。

  夕食会の結果、米中関係が今後、緊張緩和に向かうのか、それとも緊張が一層エスカレートするのか、投資家や企業は注視している。トランプ大統領は協議が前進しない場合は関税措置を強化する構えをちらつかせる一方で、29日午前にアルゼンチンに向けて出発する際には「中国と何かすることで極めて近い状況にあると思う。だが自分がそれをしたいかは分からない」と述べ、「中国は取引を望んでいると思う」と話した。

  これに対し、中国当局者らは重要な取引がまとまる可能性は低いとみている。事情に詳しい当局者1人によると、中国は首脳会談を通じ、両国が依然として協力できることを示すとともに、将来の協議の基礎固めを図りたい意向。中国側の交渉担当者は全ての相違点が首脳会談の場で解決できるとは考えていないという。

原題:Trump-Xi Dinner Offers Chance to Avert Deeper U.S.-China Rift(抜粋)

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