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「パウエル・プット」、米株式市場を救う-これが最後になる可能性

  • 市場が織り込む来年の利上げ幅、さらなる圧縮の余地はわずか
  • 最後1回の利上げ見通しまでなくすような変化、議長には見込まれず

米株式市場にとって、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が果たした救世主の役割は1回だけで終わる可能性がある。

Federal Reserve Chairman Jerome Powell Speaks At Economic Club Of New York

パウエルFRB議長

フォトグラファー:Mark Kauzlarich / Bloomberg

  28日にパウエル議長が2019年の利上げ回数に関する発言のトーンを和らげたことを受け、トレーダーが織り込む来年の利上げ幅は大幅に圧縮された。ユーロダラー先物18年12月限と19年12月限のスプレッドは一時、1回の利上げに相当する25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を下回る場面があった。

  28日の市場取引を悲観的に見れば、トレーダーが織り込む来年の利上げ幅予想のさらなる圧縮の余地はもうあまりないということになる。さらに悲観的な見方が強まるとしたら、それには景気下降見通しが伴う必要があるかもしれないが、これはリスク資産にとっては到底好ましいものではない。

  現在のところ、米株式市場は米金融当局がより慎重になっているとの見方を好感している。インフレ調整後の米国債利回りの低下はS&P500種株価指数の3月以来の大幅上昇を後押しした。ユーロダラー先物19年12月限の取引高は、中立金利まで「長い道のり」があると議長が発言し、リスク資産からの撤退を引き起こした10月3日以来の規模に膨らんだ。

  ウィーデンのチーフ・グローバル・ストラテジスト、マイケル・パーブス氏は、「ゴルディロックス(適温)状態に戻ることが話題となっている」とした上で、「まずまずの成長と、友好的な金融当局。そうだ、これが株の合理的な反応だ」と述べた。

  しかし、この「パウエル・プット」も一回行使されただけで、もう尽きてしまう可能性がある。マニュライフ・アセット・マネジメントのマクロ戦略責任者フランシス・ドナルド氏は、「市場が織り込む残りの最後1回の利上げ見通しまでなくすような劇的な変化をパウエル議長について想像するのは難しい」と指摘。「市場はハト派的な金融当局や20カ国・地域(G20)首脳会合の思わしくない結果といった可能性に加え、成長鈍化も織り込み済みであり、下振れよりは上振れのサプライズの余地の方がはるかに大きい」と述べた。

原題:The Powell Put Saving Stocks Is Exercised and May Be Exhausted(抜粋)

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