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「第2のユニクロ」化するユニファミ株、日銀が浮動株吸い上げ

更新日時
  • 年初からの上昇率は2倍超、日経平均ウエートでも4位に急浮上
  • 収益力からは株価が説明つきにくいとの声、見解交錯で売買膨らむ
Self-checkout Register At FamilyMart Convenience Store
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

日本株市場で今週半ばにかけて目立ったのは、ユニー・ファミリーマートホールディングスの株価上昇加速だ。アナリストが割高を指摘する中で最高値を更新し、需給要因で株価が変動しやすい「第2のファーストリテイリング」との声が市場関係者から出ている。

  昨年末7900円だったユニファミ株は28日に一時1万8960円に達した。29日の終値は1万6130円で、年初来上昇率は2倍を超える。東証1部全体の値動きを示すTOPIXの年初来騰落率は同日時点で8.7%安。TOPIX小売指数は2.5%高、ユニファミと同業のセブン&アイ・ホールディングスは同3.2%高と、堅調な小売り銘柄の中でもユニファミ株の上昇は突出している。

上昇率2倍超の後は上値が重い展開に

  背景にあるのは筆頭株主の持ち分の大きさと、日本銀行による上場投資信託(ETF)の買い入れ加速だ。これにより投資家が市場で売買できる浮動株が減少、需要が膨らんだ場合、値動きが加速しやすくなっている。日銀がETFを買い続ける限り、この構造は容易に変わらないとみられている。

  東海東京調査センターの鈴木誠一マーケットアナリストはユニファミ株について、「発行済み株式数がもともと多くない中で伊藤忠商事がその5割を保有し、日経平均株価の採用銘柄であることから日銀もETFで買わなければならない」として、「ファーストリテイリングと同じ株式需給構造となっている」と指摘した。

  ニッセイ基礎研究所の試算では、上場企業の発行済み株式総数に占める日銀保有比率でFリテイリとユニファミはそれぞれ18%と16%で、1位のアドバンテスト(21%)に次ぐ2位と6位。Fリテイリは柳井正会長兼社長が22%保有、ユニファミは上位株主2社の伊藤忠と伊藤忠リテールインベストで計50%を保有しており、固定株が多い。

  ユニファミ、Fリテイリ両銘柄は日経平均の構成ウエートが大きいため、日銀がETF購入時に買い入れる株数が多くなる。ユニファミは時価総額でTOPIX119位だが、日経平均ウエートは4位(2.7%)。Fリテイリはそれぞれ74位と1位だ。日経平均ウエートでの時価総額とかけ離れたゆがみが、指数による株価への影響をより大きくする。ユニファミの指数ウエート順位は1年前が15位だったが、株価上昇に伴って上昇し、東京エレクトロンをも抜いた。

  ユニファミ株は伊藤忠が子会社による公開買い付け(TOB)を発表した4月以降に上昇が鮮明になり、TOBが終了した8月中旬以降は一時的に低迷。9月に反転に転じると、日銀が月間ベースで過去最大のETF買い入れを記録した10月に一段高となった。

  アナリストによるユニファミの投資判断は、ブルームバーグが集計する14人中「売り」相当が11人に達し、株価収益率(PER)は50倍前後と小売指数の26倍の約2倍に達している。22日時点の信用残は売り約84万株に対し、買いは約6万株。ファンダメンタルズでは弱気評価が大多数を占めるにもかかわらず、浮動株比率の低下を背景に、ショート(売り持ち)にしていた向きの買い戻しや投機筋の売買も巻き込み、株価上昇が加速した格好だ。

  東海東京調査の鈴木氏は「TOBの実施で株価が上昇していると読んだ投資家は、TOB終了後を予想して空売りを仕掛けた」と説明。実際の空売り数はもっと大きいだろうとした上で、「株価が上がろうが下がろうが関係ない日銀の買いが継続していることで、他のコンビニ株と比べてバリュエーションが異常値のユニファミ株が上昇することは、空売り筋からみると疑問だろう」と付け加えた。

  こうした需給要因や資本関係を巡る思惑のほか、ディスカウント大手ドン・キホーテホールディングスとの関係を強めるユニファミの事業面への冷静な見方が高値圏で交錯し、売買代金で東証1部上位に入る日が増えている。28、29日はいずれも午後1時直前から売りが急増した。

  伊藤忠のユニファミ子会社化ユニファミによるドンキホHへの出資についてはそれぞれこちらをご覧ください

  ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は「伊藤忠やドンキホHなどとの関係を巡る思惑が働く可能性のある銘柄ではある」とした上で、「新業態の会社についてはそれなりに効果が出ているものの、他のコンビニ各社と同様に先行きは様々な課題を抱えているのも事実」と分析。「株価水準は説明しきれないところがある。ボラティリティーが大きくなる可能性を考えておくべきだ」と述べた。

  30日のユニファミ株は前日比1.4%高で取引を開始したものの、その後は2.7%安まで下げ幅を拡大。午後1時前のタイミングでは3日連続で売りが膨らむ場面もあったが、終値では0.1%安と方向感は定まらなかった。売り買い交錯により商いは増加し、売買代金は東証1部4位。

(きょうの株価状況を更新します.)
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