【端末活用術】ノーベル賞受賞に留まらない波に乗る日本の医薬品業界

京都大学の本庶佑特別教授がノーベル医学・生理学賞を受賞する以前から、日本の医薬品セクター株に対して投資家が祝杯を挙げるには十分な理由があった。

  ブルームバーグの業種別パフォーマンス機能GRRを用いて過去6か月の医薬品セクター株のリターンを見てみると、TPX指数が8.0%のマイナスを示す中でも5.2%のリターンをもたらし、最上位にきている。そのような収益性の根源を探すべく、注目ファクターFTWとウォッチリスト分析WATCの機能を用いてみる。

  日本の医薬品セクター株はあらゆる市場における株式が米国の利上げや米中貿易摩擦における影響を大きく受ける環境下でさえ、底堅い株価で市場に対する突破口を見出してきた。例えば本庶氏の研究はPD-1を阻害する癌免疫療法を開発し、小野薬品工業におけるオプジーボの開発の大きな助けとなった。

  また、日本の医薬品セクターは、その業界特有の強固なバランスシートを基盤として企業買収に打って出ようとしている。武田薬品工業は21日、7兆円規模でのシャイアー買収に対する欧州委員会からの承認を得たと発表した。

上記の医薬品セクターのリターンを分析するには下記の通り。

  • コマンドラインに "TOPIX"と入力し、TPX Indexを選択する
  • "業種別パフォーマンス"と入力し、GRR<GO>を選択する
  • 画面上段の期間のタブをクリックし、6カ月を選択する。ショートカットコードはTPX Index GRR5
  • 期間右横のトータルリターンにチェックを入れ、通貨をLCLに設定する

  過去6カ月で見た場合、電気・ガスセクターを上回り、医薬品セクターのパフォーマンスが最大のリターンを上げていた。年初来で見ても電気・ガスセクター及び水産・農林セクターに次ぐ8.3%のリターンを上げている。

日本の医薬品セクター株の利益の根源を探るには下記の通り。

  • コマンドラインに "ファクター" と入力し、FTW<GO> -注目ファクターを選択する。左上のオレンジ色のタブからAsia Pacific内のTPX Indexを選択する
  • セクターのタブをクリックし、ヘルスケアを選択し、ViewのタブはMonitorのままとする
  • YTDリターンのコラムをクリックし、リターンの高いファクター順に並び変える

  1年フォワードEPS成長率(FY)%は9.4%となり、PORT JP Sizeファクターの12.6%に次ぎ2番目に高いファクターとなっている。このリターンは対象となるポートフォリオの月次データをリバランスし、各ファクターのポートフォリオ内上位20%の銘柄をロングする一方、下位20%の銘柄をショートすることで算出をしている。

  同成長率は7年リターンを見ても56%と最も強いファクターとなっている。

  米ブリストルマイヤーズの癌免疫治療薬オプジーボの国内製造販売権を持つ小野薬品工業は11月1日付で上半期ベースの純利益成長率を前年同期比36%増とし、通年の企業予想を3%引き上げた。オプジーボは同社の18年度第3四半期決算において総売り上げの約32%を占める17.9億ドルの利益を生み出している。

  TPX指数における決算集計分析TPX Index EAの左上の成長率のタブをクリックし、ヘルスケアセクター全体の成長率を見てみると94社のうち93社の発表が完了し、直近四半期決算の累計成長率は19%となっている。  

今後の日本の医薬品セクター各社に対するEPS成長率予想の分析を行うには下記の通り。

  • コマンドラインに "TOPIX PHARMACEUTICAL"と入力し、医薬品セクター指数のTPPHRM Indexを選択する
  • コマンドラインに "WATCH"と入力しWATC-ウォッチリスト分析を選択する。ショートカットコードはTPPHRM Index WATC
  • 画面上段右上の設定をクリックし、画面用設定>>一般を選択する。画面用設定内の表示にあるウォッチリスト集計を時価総額加重平均とし1)適用へ進む
  • 4)予想のタブをクリックし、14)成長をクリック。BF EPS成長率をクリックし、昇順に並び替える

  小野薬品工業は今後2年間におけるアナリストによるEPS成長において高い数値を示している。今後12カ月の医薬品セクターにおけるEPS加重平均成長率は5.6%、今後24カ月の値は10.6%となっている。

  さらに6)信用のように他のタブをクリックし、業界のファンダメンタルデータの分析も行うことができる。

研究開発並びにM&Aに従事するには企業における健全なバランスシート環境が重要となる。6)信用のタブをクリックし、債務/時価総額のコラムをソートしてみる。

  日本の医薬品セクターにおいて、時価総額の大きさで加重平均した場合の割合は6%であり、39社ある医薬品業界企業のうち、13社は時価総額に対する債務の割合はゼロである。同様の分析をS&P株価指数の医薬品業界指数S5PHRM Indexで行うと加重平均された割合は14%となる。  

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