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日産自とルノー、「内縁の夫婦」か-それでも別れられない理由

  • 業界の劇的な変化を乗り切るには「規模」が必要
  • ゴーン容疑者逮捕で経営統合巡る緊張関係が明るみに

経営危機に陥っていた日産自動車を資本提携で仏ルノーが救った1999年の時点では、日産自がルノーを必要としていた。しかし現在、いわばいがみ合う内縁関係にある両社のどちらが相手をより必要としているかは判然としない。

Nissan Motor President & CEO Hiroto Saikawa News Conference

日産自の西川広人社長

写真家:Kiyoshi Ota / Bloomberg

  両社の会長を兼任してきたカルロス・ゴーン容疑者の逮捕によって、日産・ルノー連合の将来と、正式な結婚ともいえる経営統合を行うべきかどうかを巡る緊張関係が明るみに出ることとなった。ゴーン容疑者は経営統合の推進を準備し、西川広人社長を含む社内の一部から反対に遭っていた。

  ルノーと日産自は過去20年間、好調と不調を交互に繰り返す過程で相互不信を募らせてきた。日産自は22日の取締役会でゴーン容疑者の会長解任について決定を行う。

  これまでのところ、日産自よりもルノーのリスクの方が若干高いという見方が市場に反映されている。ゴーン容疑者逮捕後の株価下落率は日産自の約5.1%に対し、ルノーは約8.5%。

  日産・ルノー連合の存続が必要と考えられる理由や、日産自ないしルノーが相手を必要とする理由は次に挙げた。

連合存続が必要と考えられる理由

  • それは規模だ。2016年以降の三菱自動車も加わった同連合の昨年の自動車販売台数は計約1060万台と、独フォルクスワーゲン(VW)と首位を争うまでになった。規模が大きければ、ゼロエミッションや自動運転車、グーグルやアップルといったハイテク大手参入を含む業界の劇的変化を乗り切ることができる可能性が高まる
  • 連合を解消すれば、混乱が長引く恐れがある。ルノーと日産自はエンジニアリングや製造、サプライチェーン管理、購入、人材面で協力関係にある

日産自がルノーを必要とする理由

  • 日産自はルノーの部品を搭載したモデルを欧州で販売しており、連合を解消すれば対応が必要になる。昨年の日産自の欧州大陸での販売台数は50万台を上回る
  • 日産自は売上高では上回るが、ルノーの利益率は向上している。ブルームバーグ・インテリジェンスのマイケル・ディーン氏は「日産自の売上高はルノーの1.5倍だが、EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)の絶対額は同等の水準だ」と指摘し、日産の利益見通しは中期的にはより弱いと分析

ルノーが日産自を必要とする理由

  • 日産自はなお巨額の利益を生み出し、より多くの自動車を販売している。昨年の販売台数は日産自が約580万台、ルノーが370万台。サプライヤーとの条件交渉では日産の方が影響力が大きい
  • 将来の利益率や販売台数を圧迫しかねない新たな排ガス規制や、間近に迫る英国の欧州連合(EU)離脱によって、欧州の自動車販売の見通しは厳しいが、ルノーは日産より欧州への依存度が高い。販売台数全体に占める欧州大陸の割合はルノーの約5割に対し、日産自は15%弱
  • 日産自はルノーのプレゼンスが弱い中国と米国へのアクセスを提供できる

原題:Renault, Nissan Are Bickering Partners Who Need Each Other (1)(抜粋)

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