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米中摩擦、中国鉄鋼市況の大きな値崩れにはつながらず-JFE副社長

  • 急激な増産による市況混乱の教訓、中国政府は鉄鋼業界への指導強め
  • 日産は「重要な需要家」、ゴーン会長逮捕は事業面での影響ない

JFEホールディングス(HD)の岡田伸一副社長は、米中貿易摩擦による中国の鉄鋼市況への影響は限定的に出ているものの、中国政府が減産を主導することにより大きな値崩れはなく世界の市況が混乱することはないとの認識を示した。

  岡田副社長はインタビューで、中国の鋼板スポット価格から主原料である鉄鉱石や石炭価格を差し引いた利ざや(スプレッド)は「今夏は一般品種で300ドル程度だったが、現在は220ドル程度まで縮まっている」と指摘。ただ、鋼板価格水準は「われわれの想定から大きく外れてはおらず、今後も大幅な値崩れは想定していない」と述べた。中国は世界最大の鉄鋼生産国。

2015年末に底打ち

  中国国家統計局によると同国の9月の粗鋼生産は前年同月比7.5%増の8085万トン、日量269万5000トンと6月に記録した過去最高を更新し、31カ月連続の増加となった。9月は最大の需要期で、鋼材価格が高水準で推移したことを受け鉄鋼各社は増産した。

  ただ、中国の鋼板価格が仮に一段安となれば各社が現状のまま生産し続けるとは思えず、「製造コストが原料価格を割り込むような大きな混乱には至らないだろう」との見方を示した。2015年と16年に需要を見誤り生産を大幅に増やした結果、市況が混乱し世界の鉄鋼メーカーが苦境に立たされた教訓があると指摘。急激な増産は大気汚染にもつながったため、中国政府は鉄鋼業界への監視や指導を強めているという。

  岡田副社長は中国の鉄鋼価格について、冬季入りで北部を中心に生産調整が始まることから現状で推移するか、政府の景気刺激策によって上昇に転ずるのではないかとの見通しを示した。ただ、トランプ米大統領の対中政策に関連した強硬な発言などは「鉄鋼という領域を離れ、経済面で何が起こるのか予測できず、楽観的にはなれない」と述べた。

  日産自動車のカルロス・ゴーン会長の逮捕については「驚いた」と語り、「日産はわれわれの重要な需要家」とし、会社間の取引などには全く関係なく事業面の影響はないとの認識を示した。

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