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日産、臨時取締役会でゴーン会長の解任を決定

更新日時
  • 空席となった会長職の後任は決まらず-後日、現取締役から選ぶ
  • 「ブランドへの影響などアライアンス揺さぶる」とアナリスト
カルロス・ゴーン会長

カルロス・ゴーン会長

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
カルロス・ゴーン会長
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

日産自動車は22日午後、横浜市内の本社で臨時取締役会を開き、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕されたカルロス・ゴーン会長を同日付で解任したと発表した。決定は全会一致。仏ルノー三菱自動車のそれぞれの会長も務め、3社連合(アライアンス)を率いてきた司令塔を失うことで、アライアンスに与える影響にも懸念が高まっている。 

Nissan Headquarters as Board Meets to Decide Chairman Carlos Ghosn's Fate

日産本社前に集まった報道陣

Photographer: Keith Bedford/Bloomberg

  日産の発表によると、ゴーン容疑者の会長職と代表取締役の解任を決めた。同じく逮捕されたグレッグ・ケリー容疑者の代表取締役の解任も決めた。空席となる会長職をめぐっては、同日の取締役会では決まらず、委員会を設置して現取締役の中から選任することになった。後任については、西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が暫定的に務めるとの報道もあった。

  日産関係者が匿名を条件に明らかにしたことろによると、同社は両容疑者を取締役から外すために必要な臨時株主総会の開催に向けた検討も進めている。三菱自も来週開催予定の臨時取締役会でゴーン会長の解任を提案する。

臨時取締役会での決定の要旨
  • ゴーン容疑者の代表取締役と会長職の解任
  • グレッグ・ケリー容疑者の代表取締役の解任
  • 両氏の解任案の議決は全会一致
  • 第三者の提言を取り入れる委員会設置ー豊田正和社外取締役ら3人に委任
  • 会長選任は豊田氏らによる委員会が現取締役の中から候補提案

  西川氏は取締役会終了後、都内で記者団に対し「厳しい状態だが、一歩進んだかなというのが実感」と話した。ルノーは日産に43.4%、日産はルノーに15%、それぞれ出資している。日産が25%まで出資比率を引き上げれば、日本の会社法では日産に対するルノーの議決権は消滅する。ルノーとの資本構成見直しを検討しているかとの問いに対し、同氏は「今は現状の安定化が一番」と答えた。

  ルノーは20日の取締役会で会長兼CEOを務めるゴーン容疑者の解任を見送った。ルノーの暫定CEOとなったティエリ-・ボレロ氏と筆頭株主のフランス政府は、アライアンスは必要不可欠で継続すべきだとの立場。世耕弘成経産相とフランスのルメール財務相は22日にパリで会談。  

ブランドにも影響

  ゴーン容疑者の逮捕、会長の解任によって3社連合への影響に関心が集まっている。クレディ・スイス証券の秋田昌洋アナリストは「3社連合の求心力の核となってきた人物がいなくなることで、短期的には混乱が起きる可能性もある。対外イメージやブランドへの影響などアライアンスを揺さぶる事案だ」との見方を示す。

  一方、共同購買などで相乗効果の実績を既に上げており、密接なオペレーションが3社間で構築されているとも指摘。各社のメリットを失うような変化は考えにくいとして「業績への悪影響は限られる」とみているが、アライアンスを率いる新たな指導体制の行方に注目する。

  日産の西川社長は19日の会見で「アライアンスに影響を与える性格の事案ではない」と述べている。三菱自の益子修CEOは21日午前、都内で記者団に対して「アライアンスを続けていくことが大事だ」と語った。

  3社連合は昨年9月、年間のシナジー効果を16年の50億ユーロから22年には100億ユーロ(約1兆3000億円)まで高める計画を発表した。共用のプラットフォーム(車体)を活用するほか、パワートレイン、電気自動車(EV)、自動運転などの分野での協業を加速する方針。 

  「アライアンスの重要性はかつてより高まっている」。経営危機に陥った日産自にルノーが資本参加した1999年、ゴーン容疑者を送り込んだのが現在ルノーの名誉会長を務めるルイ・シュバイツァー氏。ゴーン氏が逮捕される直前の19日午後、同氏が都内でブルームバーグとのインタビューで語った。

最も重い部類の犯罪

  東京地検の久木元伸次席検事は22日に都内で会見し、報酬の開示は企業のガバナンス上重要なため、有価証券報告書の虚偽記載は「最も重い部類の犯罪」との認識を示した。金商法の197条で10年以下の懲役と1000万円以下の罰金と規定されているという。ゴーン容疑者は東京拘置所に勾留中で、罪状認否や弁護士についてはコメントを控えた。

  NHKは、05ー07年にかけて東京地検特捜部長を務め、ライブドア事件などを指揮した大鶴基成弁護士がゴーン容疑者の弁護人を務めることが分かったと報じた。同氏が所属するサン綜合法律事務所に取材を試みたが、回答は得られなかった。

(西川社長の発言を加えて記事を更新します.)
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