世界の経済大国、次の危機には減税と財政出動で協調をーOECD

  • OECD、2019年の世界経済成長率見通しは3.5%
  • 下振れリスクの相互作用でさらに低下する可能性も指摘

世界経済が急激な減速に見舞われた場合、中央銀行には手段が残されていないため、減税と財政出動が必要になるだろうと、経済協力開発機構(OECD)が指摘した。

Synchronized Slowdown

Global growth is set to decelerate in coming years

Source: Organization for Economic Cooperation and Development

  OECDは世界の経済大国が財政出動で協調する用意が必要だと主張。貿易を巡る逆風と金融環境の引き締まり、原油高によって世界経済が勢いを失いつつあると付け加えた。

  OECDのチーフエコノミスト、ローレンス・ブーン氏はインタビューで、「政策当局者らに送りたいメッセージは、対話の席に戻れということだ」とし、「軟着陸の予定が実際はより急激な景気悪化となった場合は、協力が必要だ。マクロ政策の道具箱にはあまり武器が残っていないからだ」と語った。

  資本の流れは既に新興市場から離れつつある。貿易摩擦が投資を妨げ、欧州と中東では政治的不透明が強まっている。

  OECDは2019、20両年の世界経済成長率が3.5%と、18年に見込まれる3.7%から減速するとの見通しを示し、下振れリスクの相互作用によってさらに低下する可能性があるとも警告した。

  財政出動を促す背景には中央銀行にほとんど余力がないことがある。金融政策の正常化を開始しているのは米国だけだが、米国ですら金利は景気循環のこの段階における過去の例に照らすと、約2ポイント低いとブーン氏は指摘。従って財政政策に頼らざるを得ないが、既に各国の公的債務が高水準にある現状から、1国だけで財政出動に踏み切れば市場が背を向ける恐れがある。これを避けるため、協調した対応が必要だとOECDは論じた。

  現在の国際情勢は多国間の協調行動を後押しするものではないが、深刻な経済的困難があれば協力が促されるだろうとブーン氏は述べた。

原題:Tax Cuts and Spending Will Be the Next Crisis Defense, OECD Says(抜粋)

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