日産ゴーン会長逮捕、不正行為-西川社長は3社連合への影響否定

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  • 私的流用など複数の不正行為、ケリー取締役も逮捕-西川社長
  • 内部通報受け数カ月にわたり不正行為について内部調査、検察に情報

日産自動車の西川広人社長は、報酬額を実際の額よりも少なく有価証券報告書に記載していたとして、同社会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)を東京地検特捜部が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕したと発表した。

カルロス・ゴーン氏

Photographer: Junko Kimura-Matsumoto/Bloomberg

  ゴーン氏に加えて代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)も逮捕された。西川氏は横浜市内で会見し、ゴーン会長が、虚偽の記載のほか会社の投資資金や経費を私的に支出するなど複数の重大な不正行為を行っていたと話した。ケリー取締役も不正に深く関与していた。ゴーン容疑者の会長と代表取締役の解職に加え、ケリー容疑者の代表取締役の解職を22日招集の取締役会に提案する方針。

  同社は内部通報を受け数カ月にわたり両氏の不正行為について内部調査を実施し、これまで検察当局に情報を提供するなど捜査に全面的に協力していた。西川氏は「残念をはるかに超えて強い憤り」を感じているとした上で、「極端に特定の個人に依存した形」から脱却して「よりサステイナブル、維持可能な形」を目指す見直しの機会になるとの認識を示した。

  日産の有価証券報告書によると、ゴーン会長の前期(2018年3月期)の報酬は7億3500万円。同氏はこのほか会長職を兼務している三菱自動車から2億2700万円、フランス自動車メーカのルノーからも740万ユーロ(約9億5000万円)の報酬を受けていた。共同通信は、ゴーン会長が報酬約50億円を過小に記載していたと報じた。

  ゴーン会長は1990年代後半に経営危機に陥った日産に出資したルノーから派遣され、大胆な経営改革で業績を急回復させた。16年には燃費不正問題で経営が悪化した三菱自動車にも日産が出資し傘下に置いた。3社連合(アライアンス)の会長兼最高経営責任者(CEO)も務めている。ルノーは日産の株式の43%、日産はルノー株の15%を保有している。

アライアンス関係の見直し

  ゴーン会長は日産とルノーの関係見直しに取り組んでおり、9月に横浜市内で行ったブルームバーグのインタビューでは「近い将来にすべてをはっきりさせる」と話していた。フランスのマクロン大統領はゴーン会長についてコメントするのは時期尚早とし、日産、ルノー連合の「安定」を注視するとコメントした。

19日の会見で話す西川社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  西川氏は、ゴーン会長の逮捕は3社の協調関係に影響を与える性格の事案ではないと指摘。他の2社と緊密に連携して混乱を収拾し、各社の事業やアライアンスの活動に影響が出ないように努力する姿勢が大事だと述べた。
 
  ルノーの広報担当はコメントを控えた。SBI証券の遠藤功治アナリストは日産の販売や収益、株価などに対して「ものすごくネガティブな影響になる」とし、ゴーン会長が送り込まれる約20年前の状態に「逆戻りということもあるかもしれない」との見解を示した。

西川氏の発言の要旨

  • ゴーン会長は初期は大きな改革したがその後は功罪ある
  • 権力者に対するクーデターではない
  • アライアンスのCEOはルノーと相談し決定

市場の反応

  • ルノーの株価は19日の欧州市場で一時15%安と急落

 

(会見での西川社長の発言を追加して更新します.)
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