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Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米社債ブーム、景気反転を示唆か-大規模な発行も投資に表れず

  • 非金融セクターの社債残高、GDP比は戦後記録で最高水準に近い
  • 企業経営者の景気認識、拡大期終盤の可能性-TDセキュリティーズ
An attendee wearing an America flag shirt stands for the Pledge of Allegiance at the Conservative Political Action Conference (CPAC) in National Harbor, Maryland, U.S.
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米共和党の税制計画には企業幹部に事業拡大や投資を促す強力なインセンティブがあり、最終的には米経済の潜在成長力を押し上げる意図がある。だが、企業が発行する社債の多くには、別の背景があるようだ。

  非金融セクターの社債残高は国内総生産(GDP)の45.6%に達し、戦後集計してきた記録の中で最高に近い。一方でオフィスビルからソフトウエアまで広い範囲をカバーする非住宅投資はGDPの13%程度にしか回復していない。

Nonfinancial corporate debt rise has not led to a boom in investments

  TDセキュリティーズの世界金利戦略責任者プリヤ・ミスラ氏は、企業が社債を発行する意図は生産能力を増強したいからだと受け取られがちだが、「実際にその形跡は見られない」と指摘。「企業経営者が景気拡大は終盤だとみているなら、景気見通しにあまり自信が持てず、自社株買いに向かいやすい」と語った。

  社債発行で調達した資金の使途をたどるのは難しい。その資金が将来に向けてさらなる富を生み出すよう資産やイノベーションに投資されるのではなく、株主還元に使われていることが多くなっているとすれば、企業の借り入れ増加は持続可能ではないとの懸念を招く。

  モルガン・スタンレーの米国担当チーフエコノミスト、エレン・ゼントナー氏は、「ビジネスサイクルを考えてみると、その終わりは常にレバレッジの後に来る」と述べ、「今回は家計が問題ではない。企業が問題だろう」と述べた。  

  国際通貨基金(IMF)の最近のブログ投稿によると、社債の昨年の新規発行額は全世界で7880億ドル(約88兆8548億円)と過去最大。このうち米国市場が70%超を占めた。だが、社債の質と投資家保護は劣化し、一部は株主還元のための資金捻出が目的だと明確にされている。この分、企業のバランスシートは債務で膨らみ、景気後退時に経営陣の柔軟性が抑制されかねない。米国の経済成長は今後2年間、減速が見込まれている。

原題:Corporate America’s Debt Boom Looks Like a Bust for the Economy(抜粋)

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