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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日銀の物価見通し、原油価格急落と共に再び崩れ落ちる恐れ

  • 原油は物価上昇率に影響を与える決定的要因になってきた-斎藤氏
  • 携帯電話料金引き下げなど、コアCPIゼロ%を下回る可能性も
The Bank of Japan (BOJ) headquarters stands in Tokyo, Japan, on Wednesday, Oct. 31, 2018. The BOJ stayed the course on monetary stimulus while confirming in updated price forecasts that it won’t meet its inflation target for years to come.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本のインフレ率は最近の原油価格の急落に伴い向こう半年余りで半減する可能性があり、さらに携帯電話料金の引き下げや幼児教育・保育の無償化によって、ゼロ%を下回ることもあり得るとエコノミストらはみている。

  民間エコノミストのこの見通しは、2019年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の前年比上昇率が消費増税の影響除くケースで1.4%とする日銀の見通し(中央値)と大きく食い違う。同時に日銀が一段と長期にわたって金融緩和策を継続することを示唆する。

Crude prices have driven much of Japan's inflation

  

  

  シティグループ証券のエコノミスト、村嶋帰一、相羽勝彦両氏のリポートによれば、同証は現在の原油要因だけで、コアCPIの前年比上昇率は足元の1%から来年6月には0.5%まで低下すると試算している。

  ニッセイ基礎研の斎藤太郎経済調査室長は「 日本は物価上昇へのモメンタムがほとんどなく、原油は物価上昇率に影響を与える決定的要因になってきた」と語った。過去を振り返っても、最後に日本のインフレ率が2%に達したのは、世界的な金融危機が高まる中で原油価格が急上昇した時期と一致する。

  斎藤氏はさらに、携帯電話料金引き下げと幼児教育・保育の無償化に原油価格のデフレ基調が重なれば、コアCPIはゼロ%を下回る可能性があるとみている。安倍政権は携帯電話大手に料金の引き下げを求めているほか、来年の消費増税に合わせて幼児教育・保育を無償化する。

  日銀の黒田東彦総裁は原油を巡ってこれまでにも同じような状況を経験しており、原油価格が急落した14年10月には、金融緩和策を積極的に拡大した。ただ、緩和策によって既に債券市場の機能や金融機関の収益性が低下しているため、今回は緩和策を拡大するのは難しい選択肢だ。

  三井住友信託銀行の花田普調査部経済調査チーム長は「日銀は緩和度合いを増せば増すだけ物価目標に届くものでもないことを既に学んでいる。黒田総裁はここからはかなり忍耐強くならなくてはならないが、そういったことは得意だろう」と述べた。

原題:Kuroda’s Price Forecasts Are headed for Another Crash With Oil(抜粋)

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