ドルは112円後半、米金利先高観後退や米中対立で一時2週間ぶり安値

更新日時
  • 米長期金利1カ月半ぶり低水準、先週末にFRB副議長がハト派発言
  • ユーロやポンドは小反落、欧州政治不安が重し

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=112円後半で推移。米金融当局者の発言を受けた米金利先高観測の後退や通商問題を巡る米中対立が重しとなり、2日以来の安値を更新する場面が見られた。

  • 19日午後3時18分現在のドル・円は前週末比ほぼ変わらずの112円79銭
  • 一時112円61銭まで下落した後は日中株高やオーストラリア・ドルや欧州通貨などに対するドル買いにつられ、16日のニューヨーク終値(112円83銭)付近まで回復
  • ユーロ・ドルは0.2%安の1ユーロ=1.1396ドル。朝方に8日以来の高値1.1421ドルを付けた後、1.1396ドルまで軟化
  • ポンド・ドルも1ポンド=1.28ドル前半で弱含み。欧州連合(EU)離脱問題を巡る英国内政局の混乱が引き続き重しに

市場関係者の見方

SBI証券投信・債券部の相馬勉部長

  • 米中貿易摩擦で米国へのダメージが思ったよりも大きいのではないかとの懸念が広まりつつある
  • 米感謝祭のため、今週は実質3日。この間にポジティブサプライズが出るとは思えず、ショート筋は112円割れをターゲットにできる
  • もっとも、ドル売りはコストも高いため、111円後半では止まるのではないか-ドル・円

CIBC証券金融商品部の春木康部長

  • 米感謝祭を控えていることや欧州政治問題からリスクを取れず、動きづらい状況。先週末のクラリダ米連邦準備制度理事会(FRB)副議長発言でドルのポジション調整が起こっており、ここからドルがどんどん買われる地合いにはない
  • 今までのドル高の流れが転換したと判断するのは早いが、グローバルな景気失速がドルにも影響を与えるという意味では、年末以降のドル失速のシグナルかもしれない

ソニーフィナンシャルホールディングス金融市場調査部の尾河真樹部長

  • 今週はマーケットが薄いだけに、テクニカル・ポイントを割り込めば、下げが加速するリスクも
  • 5月以降ずっとワークしてきた100日移動平均線が112円05銭と接近。10月26日安値111円38銭を割り込んでくるとダブルトップとなり、深い下げになる可能性

背景

  • クラリダFRB副議長は16日のCNBCとのインタビューで、「世界経済が減速しつつあることを示す一定の兆候がある」と発言
  • アジア時間の取引で米10年債利回りは一時3.05%と10月3日以来の水準に低下
  • 18日閉幕のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、1993年の第1回首脳会議以降で初めて採択を断念。通商問題を巡る米中対立が強まっていることが改めて浮き彫りに
  • 月末の米中首脳会談に向けて米中貿易関係改善への期待も。トランプ大統領の楽観的発言を受け、先週末の米株は上昇。19日の日本株や中国株も上昇
  • 英国紙サンは、英保守党議員42人がメイ首相を党首不信任とする書簡を送付した報道。不信任案提出にはさらに6人の賛成が必要
  • 欧州委員会は21日にイタリアの財政に関する報告を発表する予定。欧州委は同国が再提出した2019年予算案もEUの規則から依然大きく逸脱していると指摘
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE