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日銀テーパリングに備える戦略、物連債投資が有効ーAB(1)

更新日時
  • 日本のBEIは過小評価状態、75bpが妥当ーアライアンスBの駱氏
  • 内外投資家が日本の物連動買い増しの兆候、潮目に変化

米資産運用会社のアライアンス・バーンスタイン(AB)は日本銀行のテーパリング(金融緩和策縮小)に備える投資戦略として、価格面で損失リスクがある日本の国債を売る一方で、10年物価連動国債の保有を増やす取引が有力だとみている。

  ABの駱正彦債券運用調査部長は、日銀が緩和縮小の方向に引き続き進むのは明確だと指摘。その上で「長期金利の許容上限が一段と引き上げられた場合は10年債のキャピタルロス(売却損)が生じるため、代替投資として10年物価連動債の投資が有効だ」とみている。

日銀の買い入れ規模は縮小傾向

ソース: ブルームバーグ、日銀

備考: 数値は前年比変化率。2018年分は年率換算。固定利回り方式は除く

  日本の物価連動国債は元金が、生鮮食品を除く全国消費者物価指数(コアCPI)と連動して増減する。2013年以降に発行された同国債は償還時の元本が保証されており、物価上昇で元金額が増加すれば利子も増える。

  今週発表の10月のコアCPIは前年比1%上昇と、前の月と同じ伸び率にとどまる見通し。一方、日本の10年物ブレーク・イーブン・インフレ(BEI、期待インフレ)率は0.4%台で推移しており、物価動向に対する市場の見通しと足元の経済指標に開きがある。

  駱氏は、「現在のBEIは今後10年間0.45%程度のインフレしかないという織り込みで、それは過小評価の状態」と指摘。「コアCPIが1%の下で、諸条件を加味するとBEIは75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)が妥当とみており、物価連動債にはキャピタルゲイン(売却益)が期待できる」としている。

日本のBEIは過小評価

潮目に変化

  投資家の物価連動債の保有に関するブルームバーグのデータによると、10年物23回債の保有ではABが日銀に次ぎ多い。物価連動債の投資動向をめぐっては、日銀を除く上位18社のうち13社が買い増している状況だ。

  駱氏は、「グローバルにインフレ期待がある中で、資金がインフレファンドに流入する傾向にあるが、一部の資金が割安な日本の物価連動債に向きやすい」と説明。「特にここ1カ月間は国内投資家の買いも目立っており、潮目が少しずつ変わっている」と話した。

  日銀が7月の金融政策決定会合で金利の変動に柔軟な姿勢を示したのを受けて、国債の利回り曲線は、超長期物を中心に傾斜化が進行。10月には超長期債の売り圧力が一段と強まり、30年債と10年債の利回り格差は昨年12月以来の水準まで拡大した。

  駱氏は、「日銀が長期金利の変動幅を拡大すれば、超長期ゾーンはより売られる。キャピタルロスを防ぐために今はアンダーウエイトにしている」と言う。

ABが描くシナリオ:

  • 日銀は来年1月か4月のタイミングで政策調整
  • 長期金利はゼロ%目標を維持したまま許容変動幅の上限を最大45bpまで拡大と予想
  • 携帯電話の料金値下げや教育の無償化が下押し要因、消費増税が押し上げ要因という部分は市場が織り込んでいるが、労働市場の逼迫(ひっぱく)化がインフレにつながる
(最終段落を追加します.)
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