Photographer: Dhiraj Singh/Bloomberg

10月貿易収支は2カ月ぶりの赤字-原油・天然ガス輸入増で

更新日時
  • 貿易収支は4493億円の赤字-予想中央値は700億円の赤字
  • 輸出は前年比8.2%増、2カ月ぶり増加-輸入は20%増
Photographer: Dhiraj Singh/Bloomberg

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は10月速報で2カ月ぶりの赤字となった。自然災害で前月落ち込んだ輸出は増加に転じたものの、原油高に伴う原粗油や液化天然ガスの輸入額増加などが影響した。財務省が19日発表した。

キーポイント

  • 貿易収支は4493億円の赤字(ブルームバーグ調査の予想中央値は700億円の赤字)-前月は1313億円の黒字
  • 輸出は前年比8.2%増(予想は8.9%増)の7兆2434億円と2カ月ぶり増加-前月は1.3%減と1年10カ月ぶりに減少
    • 輸出数量指数は3.8%増と2カ月ぶりの増加
  • 輸入は20%増(予想は14%増)の7兆6927億円と7カ月連続の増加-前月は7%増


エコノミストの見方

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト:

  • 輸出は少し弱い。反発はしているがもう少し反発してもよかった
  • 現時点で貿易戦争の影響が日本の輸出に影響をしているのか断定できないが、輸出がモメンタムを欠いていることは明確。回復のけん引力として勢い不足
  • 今四半期で輸出はプラス成長に戻すとは思うが、あくまでも前四半期からのリバウンド
  • 貿易収支は最近の原油安を反映し黒字に戻るとみている

大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト:

  • 輸出項目で半導体・電子部品と自動車の部分、ここが持ち直せているかが今回の一番の注目ポイントだったが、取りあえず持ち直したのでほっとしている
  • 30日発表の生産統計でもIP関連も9月よりは持ち直せるだろう
  • 少なくとも9月の落ち込みの大方は災害の影響、供給遮断によるものであったという理解。ただ、11月以降も持ち直した水準が維持できる保証はなく、なんとなくよたよたしている
  • 11月の原油輸入額は減っていくだろう。今回欧州からの航空機の特殊要因もあったようで、輸入額は落ちる見通し。輸出額も11月は前年比ベースでまた少し落ちそうだ

詳細

  • サウジアラビアから原油、オーストラリアからの天然ガス、中国からの衣類関連が増加-財務省担当者
    • 輸入の20%増のうち3ポイント分は原油価格上昇が影響
  • 米中貿易摩擦の直接の影響を特定するのは困難
  • 対米貿易黒字は11%減の5734億円の黒字、4カ月連続で黒字幅縮小
    • 自動車輸出は5カ月ぶり増、鉄鋼輸出は6カ月ぶり増
  • 関西空港からの輸出は前年同月比2.3%減、輸入は1.6%減


背景

  • 台風21号や北海道地震など自然災害の発生した9月は、関西国際空港の一時閉鎖などの供給制約が発生し、輸出が1年10カ月ぶりに前年実績下回る
  • 自然災害に伴う供給制約や消費マインドの低下が個人消費や外需を押し下げ、7-9月期実質国内総生産(GDP、速報値)は2四半期ぶりにマイナス成長
  • 災害による影響の解消が見込まれる10-12月期には反動増を予想する声は多いが、貿易摩擦や世界景気に不透明感増す
  • 政府は10月の月例経済報告で、国内外景気ともに基調判断を維持したものの、輸出は「持ち直しの動きに足踏みがみられる」から「おおむね横ばい」に変更
    • 中国の景気は「持ち直しの動きに足踏みがみられる」へと3年3カ月ぶりに下方修正
  • 茂木敏充経済再生担当相は13日の会見で、通商問題や中国経済の日本経済に与える影響を注視すると述べた
(発表後の市場コメントや統計詳細を追加して更新しました.)
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