最後の一撃、協定案の関税同盟巡る文言か-英EU離脱担当相の辞任

  • EU臨時首脳会議は「異例の事態が起きない」限り開催とトゥスク氏
  • 「合意なき離脱」の不測の事態に備える話し合いの場になる可能性も

英国との離脱交渉を担当する欧州連合(EU)のバルニエ首席交渉官のチームメンバーは15日未明、ブリュッセルで有数のにぎわいを見せるバーの一軒で、離脱協定案を巡る英国との合意をベルギー・ビールを飲みながらまだ祝っていた。だが二日酔いのような失望感が、これほど早くやってくるとは、ほとんど想像できなかった。

  その数時間後の明け方の会見で、EUのトゥスク大統領(常任議長)は英国側の流動的な状況を示唆し、25日のEU臨時首脳会議は「何か異例の事態が起きない」限り開催されると発言。メイ英政権の閣僚のうち、ラーブEU離脱担当相らの辞任がその後伝えられ、離脱協定への英議会の承認が得られるか疑念が生じた。

  離脱交渉では、英領北アイルランドを英国の他の地域と異なる関税区域に置く構想が当初示されたが、ラーブ離脱担当相が反対し、破棄された。英とEUの交渉担当者は、アイルランド国境での税関検査などのハードボーダー(物理的壁)を回避する手段として、将来の通商協定が成立するまでの間、英国全体が一時的にEUとの関税同盟にとどまるという代替案を練り上げた。

  それがEUにとって越えてはならない一線だった。歩み寄りの過程で、英国とEUの将来の関係を巡る交渉が単一の関税区域を基礎として進められるという協定案の表現をEU側は要求。換言すれば、英国が結局はEUとの恒久的な関税同盟にとどまる可能性が高いことを意味していた。

  英国での報道によれば、トゥスク大統領の会見後間もなく辞任したラーブ離脱担当相にとって、その文言が最後の一撃になったという。

  複数の当局者によると、25日の臨時首脳会議を他のEU27カ国首脳と離脱協定を締結する場にすることは不可能だとメイ首相が認識したとしても、「合意なき離脱」の不測の事態に備える計画を話し合うため、首脳会議はそれでも開催される可能性がある。

原題:Brexit Negotiators Can’t Bear to Think of Opening Up Talks Again(抜粋)

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