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離脱協定素案のポイントを解説-EUとの関係や金融はどうなる?

Theresa May, U.K. prime minister, walks out to deliver a statement in London. 

Theresa May, U.K. prime minister, walks out to deliver a statement in London. 

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg
Theresa May, U.K. prime minister, walks out to deliver a statement in London. 
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

英国と欧州連合(EU)が合意した離脱協定素案は、英国が40年余り加盟してきたEUから離脱するプロセス全てを明記している。また、英国とEUの関係の将来像も概説しているが、両者はかなり近い関係を目指しているようだ。主なポイントは以下の通り。

移行期間

  英国がEUを離脱する2019年3月から20年末までの間が移行期間とされる。移行期間中、英国はEUの投票権とEUへの影響力を全て失うが、それ以外は、EU市民が英国内に居住し働く権利を含め全てが維持される。さらに、英国は移行期間を延長できる。どこまで延長できるかは設定されていない。英国は20年6月までに延長するかどうか決める必要がある。延長はEU離脱派の反発を呼ぶ可能性がある。

将来の英・EU関係

  今後の交渉を待つ必要があるが、両者は最終的に「自由貿易地域」を設けることを目指している。これが実現すれば規制と関税の協力体制を密にすることができる。

  またメイ首相は、以前から目指していると述べてきた「オーダーメイド」の貿易協定を手にすることができる。しかし、英国はEUのルールに縛られることになるため、他の国と貿易協定を結ぶことができるかどうかは不透明だ。

金融

  ロンドン金融街(シティー)は現状維持の状態から下振れに向かう見通しだ。EUは域外銀行の国の規制がエクイバレンス(同等)だと認めない限り、域内の営業を許可していない。英国とEUの将来の金融関係もこのエクイバレンスに縛られることになる。銀行はかなり前からこれを見越しており、そのために欧州大陸に急いで拠点を移そうとしている。

  英国は移行期間終了前にエクイバレンスの決定を確定したいと望んでいる。そうすれば銀行は準備のための時間を持てるからだ。

アイルランド

  この問題はずっと両者の対立点だった。メイ首相はEUの解決策ではなく、自分の案を受け入れるようEUを説得したが、離脱強硬派の反発を買う条件が課された。2020年半ばまでアイルランドと北アイルランドの間にハードボーダーを設けないようにする画期的な解決策が見つからない限り、英国には2つの選択肢しかない。移行期間延長を求めるか、あるいはEUの関税同盟に残るかだ。

原題:The Brexit Divorce Deal: Champagne, Banks, Data and Trade(抜粋)

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