ソフトバンク主幹事団、個人マネーに照準-巨大IPOでテレビCM

  • 家族や30~60代が狙い、仮条件決定の30日まで放映
  • 国内外4地域の機関投資家と面談、価格など意見聴取へ-関係者

ソフトバンクの主幹事証券団は国内最大規模の新規株式公開(IPO)を成功させるため、異例のテレビコマーシャルを使ったキャンペーンを展開している。携帯電話会社としての知名度を生かしながら、幅広い層の個人投資家マネーを呼び込む。

  30秒CMの家族編では朝食でテーブルを囲む6人にソフトバンク上場の情報が飛び込み、笑い合うシーンが映し出される。投資未経験の30代編、定年後の退職金の使途を探す60代編もある。関係者によると、仮条件が決まる30日まで放映される予定だ。

ソフトバンクIPOの目論見書

Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

  あずさ監査法人の鈴木智博IPOサポート室長は、テレビCMについて「大型ファイナンスで、株が売れ残らないようにブックを積み上げる必要がある」と指摘。「30代は株式投資をしている人が少ない世代で、開拓の余地があり、60代は財産を持っている人が多い世代で、多くの株を引き受けてほしいという考えだろう」と推測した。

  DZHフィナンシャルリサーチの田中一実IPOアナリストは、「証券会社にとっては知名度の高い会社の大きなIPOで、通常では難しいニューマネーの取り込みや新規口座獲得の突破口になる」とみている。

  ソフトバンクは国内外で2.6兆円の株式を売り出す。10兆円規模のビジョン・ファンドを運営し、世界で投資を加速する親会社ソフトバンクグループの孫正義社長兼会長にとってもIPOの成功は新たな資金獲得機会となる。家計金融資産1848兆円のうち、株式を11%しか持たない日本では個人投資家の開拓は課題だ。

ロードショー

  一方、複数の関係者によると、ソフトバンクは今週から来週にかけ米国、欧州、アジア、日本の4地域で「ロードショー」と呼ばれる機関投資家対象の説明会を開く。発行体や証券会社にとって投資家の需要を探る機会となる。その後、主幹事証券は売り出し妥当価格や申し込み予定株数などを聞き取り、価格帯の仮条件を決める。

  アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最高投資責任者は、ロードショーは「会社からじかに情報や感触を得られる機会で、投資するか否かを判断するのに重要だ」と指摘。ソフトバンクについては、「業績は安定しており、配当利回りも魅力的であることから、一定の投資家は応募するだろう」と予想した。

  ソフトバンクはグローバル・コーディネーターに野村ホールディングスドイツ銀行ゴールドマン・サックスみずほフィナンシャルグループ、JPモルガン・チェース、三井住友フィナンシャルグループを起用。国内外の株式売り出しでは、野村が主幹事団で最大となる6300億円規模を引き受けることがこれまでに分かっている。2位は大和証券グループ本社で、4500億円規模。

  ソフトバンクと主幹事証券各社は、ロードショーなどの詳細についてコメントできないとしている。

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