パナソニック、中国富裕層「新貴」に照準-ポルシェ洗濯機を投入

  • スポーツカーを思わせるボディーや緩衝機能、価格は約32万円
  • 日本の苦戦目立つ中、海外強化に意欲-サムスンやLGをライバル視

パナソニックは急速な経済成長を背景に「新貴」と呼ばれる新たな富裕層が生まれている中国で、現地のニーズに合わせた独自商品の開発を強化している。洗濯機ではドイツの高級スポーツ車メーカー、ポルシェによるデザインの機種を発売した。

  パナソニックの家電事業を統括するアプライアンス(AP)社の本間哲朗社長は7月に上海市の富裕層宅で見た「前のめりな消費に驚いた」と言う。部屋のカーテンの開閉から洗濯終了の通知まで全てをスマートフォンで操作できるスマートハウスは、「シリコンバレーで見たものより中国の方が進んでいた」とも感じた。

パナソニックの高級洗濯機「アルファ」

Source: Panasonic

 
  8月に中国で発表したドラム式洗濯機「アルファ」は、富裕層に人気のポルシェの系列企業にデザインを依頼した。スポーツカーを思わせるボディーや車に使われるサスペンション技術を活用しており、シックなデザインが特長だ。価格は1万9998元(約32万円)と高額だが、月産3000台を購入希望が上回っている。

  パナソニックは中国を日本に次ぐ重要市場と位置付け、新貴を含む富裕層もターゲットに据える。2015年には開発から生産、販売までの決定権を現地法人に移管、17年には現地の人材をトップに起用した。乾物を保存できる乾燥庫付きの高級冷蔵庫や体脂肪が測れるシャワートイレなど、独自商品を作り出している。

黒物と白物の融合

  中国でのパナソニック製洗濯機販売を担うマネージャー、朱洋氏はアルファについて「発売から数カ月しか経っていないにもかかわらず、売り上げは非常に好調だ」と話す。この製品の販売は、顧客により良いショッピング体験をしてもらうため店頭のみとし、パナソニックのスタッフが運搬、設置までを行う。

  パナソニックは14年に白物家電事業と音響・映像器機など黒物家電事業を統合した。同社にとって家電事業は祖業であり、最近まで一部製品の価格決定にはパナソニック本体の社長判断が必要だったというが、本間氏は「それでは厳しい状況に勝ち抜けない」としてスピード重視で権限の現地委譲などを進めた。

デザインにはポルシェを起用

Source: Studio F. A. Porsche

  AP社は20年度に売上高3兆円、営業利益率5%の目標を掲げ、5割強の海外売上高比率を22年度までに6割まで高める計画だ。

  東芝がテレビや白物家電事業を中国企業に売却したほか、日立製作所も自社ブランドテレビの国内販売をやめるなど日本勢の縮小が目立つ。本間氏は総合電機としてのライバルは韓国のサムスン電子LG電子だとして対抗心をのぞかせた。

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