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Photographer: Kiyoshi Ota

7-9月期GDP年率1.2%減、2期ぶりマイナス-予想下回る

更新日時
  • 相次ぐ自然災害が影響、個人消費や設備投資が減少
  • 工場や空港の一時的閉鎖などで輸出は5期ぶりマイナス
Pedestrians cross a street illuminated with neon signs in Tokyo.
Photographer: Kiyoshi Ota

7-9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は、2四半期ぶりにマイナス成長となった。年率換算の成長率は市場予想を下回った。相次ぐ自然災害に伴う供給制約や消費マインドの低下が、個人消費や外需を押し下げ、輸出は5四半期ぶりにマイナスに転じた。内閣府が14日発表した。
          

キーポイント

  • 実質GDPは前期比0.3%減、年率換算1.2%減(予想中央値は0.3%減と1.0%減)
  • 個人消費は0.1%減(予想は0.2%減)
  • 設備投資は0.2%減(予想は0.2%増)と8四半期ぶりマイナス
  • 輸出は1.8%減と5四半期ぶりマイナス、寄与度はマイナス0.3ポイント

           
  茂木敏充経済財政担当相の発表後のコメント:

  • 相次ぐ自然災害で工場や空港の一時的閉鎖などによる輸出遅延やインバウンドの減少など一時的要因が影響
  • 景気は緩やかに回復との認識に変わりない。先行きは民需中心の景気回復が期待される
  • 通商問題の世界経済への影響や海外経済の不確実性などに留意する必要
  • 春先からのアジア向け情報関連財の輸出鈍化には十分注意しておきたい
2期ぶりのマイナス成長

エコノミストの見方

野村証券の桑原真樹シニアエコノミスト:

  • 全体として7-9期月は自然災害の影響もあったが、流れはどちらかというと景気鈍化方向
  • 設備投資については若干のプラスと見ていたのでマイナスには若干の違和感がある。ただ、4-6月期は非常に高かったので、ならしてみるとそこまで悪い数字でない
  • 10-12月期はそうはいっても自然災害から立ち直ってくる部分があって、輸出も10月はわりと強そうだ。10-12月期は比較的プラスになりやすい

農林中金総合研究所の南武志主席研究員:

  • 災害によって一時的に輸出入共に悪かったが、世界経済が多少減速し始め、貿易量が鈍化しつつある。米中摩擦が影響していることは確かだろう
  • 10-12月期はリバウンドは多少あるだろうが、景気がピークに近づきつつあり、成長率は鈍化していく傾向。日本の潜在成長率は1%を割っている状況で、来年以降マイナス成長がたまに起き得る
  • 金融システムや地域金融機関への対応に金利上昇がいいという考え方があるが、景気が失速しかかっている中で、果たして利上げができるのかという問題があり、金融政策についてはなかなか厳しい状況になっていく
  • GDPデフレーターがマイナスとなったのは一時的な気がするが、デフレ的状況から脱し切れていないということなので、即座に金融政策が変更されることもなかろう
    One month after Hokkaido quake

    北海道地震で大規模山崩れが起きた厚真町(9月6日)

    Photographer: Kyodo News via Getty Images

背景

  • 7月の西日本豪雨や9月の北海道地震、大型台風など相次ぐ自然災害により、ブルームバーグの集計したエコノミストの9割以上は7ー9月期実質GDPのマイナス成長を予想。関西国際空港の一時閉鎖やサプライチェーン途絶で自動車など製品輸出が減り、訪日外国人客の国内消費にも悪影響を与えた
  • 9月の経済指標は、自然災害や海外経済の減速懸念から、市場予想を下回る統計が相次いだ。家計支出は前年比1.6%減と市場予想(1.5%増)に反して減少したほか、国際収支統計でも、輸出減少により貿易黒字は3233億円と前年から縮小した
  • 災害による影響の解消が見込まれる10-12月期には反動増を予想する声は多いが、米国の保護主義的な政策に端を発した貿易摩擦や世界景気に不透明感が増している。貿易摩擦の高まりによって、世界の経済成長が今後2年間に1%押し下げられる恐れがあると国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が指摘するなど、外需に支えられる日本景気の回復基調に水を差す可能性もある


詳細

  • 内外需の寄与度は、内需がマイナス0.2ポイント、外需がマイナス0.1ポイント
  • 民間住宅は0.6%増(前期は1.9%減)
  • 民間在庫変動の寄与度はマイナス0.1ポイント(同0.0ポイント)
  • 財貨・サービスの輸入は1.4%減(同1.0%増)
  • 公的固定資本形成は1.9%減(同0.3%減)
(茂木経財相や市場関係者らのコメントなどを追加して更新します.)
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