コンテンツにスキップする

トランプ大統領が欠席するAPEC首脳会議-中国の存在感際立つ

  • 文化的重要性をトランプ氏は理解していない-デリオス准教授
  • 世界のリーダーシップ望むのなら、そのために働く必要-ラッド氏

中国の習近平国家主席がこれほど容易に外交的勝利を手にすることはめったにない。何しろ週末のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にはトランプ米大統領もロシアのプーチン大統領の参加しないのだ。

  首脳会議が開催されるのは南太平洋の島国パプアニューギニア。経済規模が全米50州のどこよりも小さいこの国では、米国に次ぐ世界2位の経済大国を率いる習主席の存在感が特に目立つことになる。習主席はまた太平洋の島しょ国10カ国以上の首脳との会談に多くの時間を割き、中国の国力を誇示する見込みだ。

Australian Prime Minister Scott Morrison Defends Foreign Investment Rules Amid China Concerns

モリソン豪首相

写真家:Brendon Thorne / Bloomberg

  南太平洋地域ではオーストラリアなど米国の同盟国と中国の戦略的競合が一段と激しくなっている。中国は習主席肝いりの広域経済圏構想「一帯一路」の一環として財政的に厳しいこの地域に資金をつぎ込み始めており、中国が域内の軍事的プレゼンス構築を目指していると懸念を招いている。

  モリソン豪首相は先週、太平洋諸国を支援するため20億豪ドル(約1630億円)のインフラ基金の設立を発表。海軍の展開も増やすと表明した。APEC首脳会議には米国からはペンス副大統領が参加する。だが、トランプ大統領が欠席を決めたことで、米国はこの地域に対し同盟関係を示し、融資を通じた中国の経済的関与に代わる長期的なコミットメントを打ち出す機会を逸したと見られている。

CHINA-PNG-DIPLOMACY

中国の習国家主席とパプアニューギニアのオニール首相(2018年6月)

フォトグラファー:Fred Dufour / AFP via Getty Images

  ボンド大学(豪ゴールドコースト)のロジータ・デリオス准教授(国際関係)は「アジアでのこうした多国間でのフォーラムに出席する文化的な重要性をトランプ大統領は認識していない」と分析。「一帯一路を巡る話は債務のわなとレバレッジを得ようとする中国の試みにシフトしている。習主席は自らの言葉で一帯一路が誰にでも利益となり繁栄を共に謳歌(おうか)するものだと主張しようとするだろう」と述べた。

Key Speakers and Interviews at the Bloomberg New Economy Forum

ラッド元豪首相

写真家:Justin Chin / Bloomberg

  
  ラッド元豪首相はシンガポールで先週開催された「ブルームバーグ・ニューエコノミー・フォ-ラム」で、「米国がこの地域で有形の一角となりたいのであれば、地域サミットの開催時期に『あなた方の会合には参加することに興味はない、東南アジア各国の政府トップとの一対一の会談にも興味がない』と言うことはできない」と指摘、「そうしたことは米国の大統領が担う一端であり、世界のリーダーシップを望むのであれば、そのために働く必要がある」と語った。

原題:Xi Expands China’s Footprint in Pacific as Trump Stays in U.S.(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE