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【個別銘柄】三井金や太陽誘電が大幅安、ダイフクや三井不上昇

12日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  三井金属鉱業(5706):18%安の2587円。9日発表した19年3月期経常利益計画は従来の410億円が240億円に下方修正された。キャリア付極薄銅箔の販売量が減少し、金属価格が想定を下回って推移した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の黒坂慶樹シニアアナリストはリポートで、成長事業の一角である極薄銅箔の下期販売数量見通しが前年同期比5%減と示されたことからネガティブとした。例年、下期はスマートフォンの作り込み時期で、特に19年3月期は既存メーカーの新モデル搭載数量増やHDI基板新規採用機種による需要増と、極薄銅箔の増加シナリオへの期待が株式市場にはあったと指摘、極薄銅箔の成長に懸念が増す減額修正とみる。

  太陽誘電(6976):11%安の2325円。9日発表の決算で19年3月期営業利益計画を従来の245億円から前期比48%増の300億円に上方修正。SMBC日興証券の渡邉洋治アナリストはリポートで、上方修正で積層セラミックコンデンサー(MLCC)好調が再確認できたものの、7-9月(第2四半期)のMLCC売上高は前年同期比19%増と、競合の村田製作所の31%増と比較してやや物足りないと指摘、汎用品の構成比が低く、ハイエンド品シフトに伴うミックス改善効果が相対的に小さく、伸び率の差につながっている。業績の下振れリスクへの懸念は払しょくされたが、稼働率が高水準にあり、増産やミックス効果の上乗せが限られている点には留意が必要という。

  ダイフク(6383):7.7%高の5440円。9日、19年3月期の営業利益計画を480億円から前期比30%増の520億円に上方修正した。増収と原価改善による収益力向上、半導体や液晶パネル関連向けシステムを手掛ける東アジア現地法人の好業績、サービスビジネスの好調などを反映した。受注高計画も5100億円から前期比8.6%増の5300億円に上積み。上期配当を1株25円から30円に増額、年間で80円(前期実績70円)とする。ゴールドマン・サックス証券は、第2四半期(7-9月)営業利益も146億円と同証予想の132億円、会社計画の115億円から上振れ、営業利益率も12.9%と過去最高を記録するなど想定以上と指摘。通期計画も同証の旧予想490億円を上回る水準まで増額され、市場の期待値を全ての側面で大幅に超過するポジティブサプライズと評価した。投資判断「買い」を再強調し、目標株価を6700円から7000円に上げた。

  三井不動産(8801):3.5%高の2751.5円。みずほ証券の橋本嘉寛アナリストはリポートで、4-9月(上期)の営業利益が前年同期比22%増の1121億円と同証予想の985億円を上回った背景について、投資家向け分譲事業などでの利益上振れがあると指摘。賃貸事業では大型ビルの開発案件が豊富、分譲事業では「億ション」や外部売却向けの大型ビルが豊富にあることが同社の魅力と記述。ポジティブな決算を受けて投資判断「買い」、目標株価3500円を維持した。

  パナソニック(6752):1.6%安の1160円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は9日、パナソニックの投資判断を「オーバーウエート」から「中立」、目標株価を1900円から1300円に変更した。原材料価格の高騰や国内外で競争が激化している家電などアプライアンス(AP)分野、住宅などエコソリューションズ(ES)分野、メカトロニクスの減速を受けたオートモーティブ&インダストリアルズ(AIS)分野を中心に同証の業績予想を下方修正。来期以降もAPやES、AISの成長性に陰りが出てきている点に懸念を示した。テスラ関連事業への懸念が払拭(ふっしょく)されれば、株価は再評価されるとみていたが、テスラのモデル3の生産出荷が安定しても再評価につながっていない。

  博報堂DYホールディングス(2433):7.6%安の1781円。9日発表の4-9月期営業利益は前年同期比69%増の335億円、通期計画は前期比26%増の656億円を据え置いた。ゴールドマン・サックス証券の杉山賢アナリストらはリポートで、国内の成長をけん引してきたインターネット事業の増収率が四半期で前年比12.4%、従前の20%前後の高成長から徐々に減速感が強まっており、同広告市場の成長性に懸念を感じる内容だったと指摘。7-9月は過去3年間の四半期において最も成長率が鈍化たとも記述。会社側はナショナルクライアントのデジタルへの追加的な予算シフトが既に一巡しており、さらなる売り上げの増加にはシェアを取る必要があると説明したという。

  コンコルディア・フィナンシャルグループ(7186):5.7%安の512円。9日に19年3月期の純利益計画を700億円から600億円に下方修正した。同時に発行済み株式総数の1.02%、50億円を上限に自己株を取得すると発表した。低進捗(しんちょく)や自社株取得は想定線も、純利益計画を下方修正したのは意外で、全体を総括するとネガティブとSMBC日興証券の佐藤雅彦アナリストらがメモで記述。従来、通期計画の達成には有価証券関連での底上げが必要とみていたが、今回会社側はその点を取り下げ、自然体での利益水準を提示してきた印象とした。

  NOK(7240):6.6%安の1603円。SMBC日興証券の松本邦裕アナリストはリポートで、19年3月期上期決算はコンセンサスだけでなく保守的と思われた会社計画も下回る厳しい水準で、通期ガイダンスも下方修正されたためネガティブだと指摘した。上期営業利益は140億円(前年同期比約30%減)で、スマホ向けFPCの減産・生産トラブルを受けて電子部品が大苦戦、シールも増産に伴う人件費増で減益。通期計画は490億円から345億円に引き下げられ、主力のシールと電子部品の2部門とも減額修正となった。電子部品は米国ブランドのスマホ需要の落ち込みやサプライヤー間の競争激化による受注シェア減少も影響するとみられるとする。

  青山商事(8219):17%安の2991円。9日発表の決算で19年3月期の業績予想を下方修正した。売上高計画を従来比88億円減額の2527億円、営業利益については50億円減額の150億円とした。業績が当初計画を下回る見通しから、年間配当予想を160円から100円に減額した。。

  ヤクルト本社(2267):1.4%高の8070円。9日の取引終了前に発表された決算短信を受けて同日は下落したが、みずほ証券の佐治広アナリストは、供給制約の可能性があるとされていた中国の7-9月の1日当たり販売本数が前年同期比3.1%増となったことについて、やや伸び悩んだ印象だが中期評価への影響は限定的との見方を示した。中国では19年3月および6月の2工場稼働で、日産能力は現行比約29%増の1420万本に高まる見通しという。19年3月期営業利益計画が従来比15億円増の480億円に上方修正されたことについて佐治氏は、同証予想並みで主に中国などアジア・オセアニア地域が貢献したと分析した。

  コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(2579):6.4%高の3340円。同社は9日に1080万株、250億円を上限とする自社株買いを決議、取得期間は12 日から来年5月31日まで。SMBC日興証券の高木直実アナリストらは9日のリポートで、株主還元を強化したことはポジティブと指摘。ただ、来期はサプライチェーンを復旧する年であるほか、競争環境も厳しくなることが予想され、利益水準は緩やかな回復にとどまるだろうとした。1-9月期の営業利益は前年同期比17%減の320億円。

  関西ペイント(4613):1.6%高の1716円。関西ペイントが通期計画を下方修正したことを受け、SMBC日興証券の竹内忍アナリストはリポートで、いったん悪材料出尽くしと見なされる可能性はあるが、株価が本格反発するにはアジア・新興国の塗料事業が利益成長軌道に回帰することが不可欠としている。通期の経常利益計画は従来見通から108億円減額の357億円となったが、主に原料高によって各地域で軒並み大幅下方修正となったほか、為替前提の見直しによる影響額20億円を含む。上期の経常利益192億円(前年同期比15%減)は、原料価格の上昇や円換算後の利益の目減りを、インドにおける建築用塗料の拡販、日本やインド、タイでの自動車用塗料の販売数量増で吸収できなかったのが要因。

  セイノーホールディングス(9076):5.6%高の1760円。4-9月(第2四半期累計)の営業利益は前年同期比16%増の148億円となり、19年3月期の予想は284億円から315億円に上方修正された。適正運賃の交渉継続や新規荷主の獲得・継続など取扱貨物の増加にも注力し、業績は堅調に推移していると同社。トラック運賃の値上げによる利益成長が続き、4ー6月(第1四半期)決算以降の株価下落によりPER面で割安感が出ていることから、投資判断「買い」で推奨すると野村証券の廣兼賢治アナリストがメモで記述した。通期計画の営業利益は上方修正され、値上げによる利益成長に自信を持っていることが確認できたという。

  アルバック(6728):4.3%高の4165円。野村証券のアナリスト和田木哲哉氏はリポートで、足元の事業環境の変化を受けて業績予想を下方修正し、7304円の目標株価を6773円に引き下げるが、PERで見て株価には割安感が強く投資判断「買い」に変更なしと指摘。半導体製造装置では18年7-9月期に大手ロジックメーカーからPVDの受注獲得に成功、19年6月期に約50億円の売り上げ寄与を予想、20年6月期にはさらに売り上げ拡大が見込めそうと記述した。

  熊谷組(1861):17%高の3440円とストップ高。9日発表の決算短信で、19年3月期通期の営業利益および経常利益見通しをそれぞれ従来計画から10億円増額し前期比8.5%増の250億円、10.2%増の250億円とした。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の八木亮アナリストは、上方修正された通期営業利益計画はコンセンサスを上回るが、下期の完成工事が上期比で増加することを考慮すると、追加工事・設計変更が想定以上に寄与した場合はさらなる上振れが期待できるとリポートに記述。受注高の上期進捗(しんちょく)は63%と堅調、上期繰越高は5282億円(前年比40.2%増)まで拡大し、来期以降も堅調な業績拡大が期待できるとみる。

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