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パウエル議長が主導する利上げ、民主・共和両党から挟み撃ちか

  • 与野党は20年の米大統領・議会選をにらんで歳出拡大目指す方向
  • 「さらなる漸進的な利上げ」のメッセージ、政治的には一層不人気に

物価安定と最大限の雇用の番人である米金融当局は、来年1月から始まる新議会で民主・共和両党から挟み撃ちにされるかもしれない。

  7、8両日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開いた金融当局は、「力強い」米経済を念頭にフェデラルファンド(FF)金利目標レンジの「さらなる漸進的な引き上げ」の方針をあらためて示唆した。2020年の米大統領・議会選に備え、与野党が来年の議会で歳出拡大を目指すと見込まれる中、金融当局のこうしたメッセージはますます不人気となる可能性がある。

  下院過半数を奪還した民主党はインフラ支出の増大のほか、好調な労働市場からの恩恵が労働者に一段と行き渡るよう求めている。一方、共和党は同党主導で成立した減税や規制緩和、国防支出増大で経済成長のペースを加速させたい考えだ。金融当局による利上げ継続は両党の目標に反する形となる。

  このため、好景気の下での利上げについてトランプ大統領からたびたび非難されているパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は与野党からも挟撃されることになりそうだ。

Federal Reserve Board Holds Open Meeting

パウエルFRB議長

写真家:Andrew Harrer / Bloomberg

  こうした政治的反発の高まりを予想してか、パウエル議長は連邦準備制度の監督権限を持つ議会に積極的にコンタクトしている。パウエル議長の日程表によれば、2月の就任以降に議員と会ったり電話をしたりした回数は計77回に達し、FOMC開催もあり多忙だった9月だけでも18回に上った。

  コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのシニア金利・通貨アナリスト、エドワード・アルハッサイニー氏は民主党が多数派となる下院では、明らかにうまくいっているのになぜ利上げを急ぐのかと一段と批判の声が上がるのは確実で、「共和党からは『われわれが一層の刺激策を打ち出そうとすれば、それを打ち消そうとするのか。それでは話にならない』という疑問が投げ掛けられるだろう」と指摘した。

  だが現実を見ると、両党がそれぞれの政治目標の実現を確かなものとするには、米金融当局への投資家の信頼を維持しなければならない。インフレ抑制を続ける健全な金融政策なしでは、賃金の上昇も、連邦財政赤字の拡大の下での低水準の借り入れコストも持続不可能だからだ。

  だが、ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は「予見し得る将来において、緊縮策を掲げる動きは皆無だろう」と語り、民主・共和両党が向こう数年間にわたり推し進める財政政策は「無規律の極地」と言うべきものとなるだろうとの考えを示した。

Big Load

Debt held by the public as a percent of GDP; actual and estimates starting 2018

Congressional Budget Office

CBO defines debt held by the public as mainly Treasury securities to fund the operations and pay off maturing liabilities of the government that tax revenues don't cover.

The Fed's September Dot Plot

原題:Fed Risks Backlash Reining in Economy Congress Wants to Rev Up(抜粋)

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