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航空宇宙事業一本化、25年度に営業益倍増の700億円超目指す-川崎重

  • 航空エンジン事業を4月に統合、売上高最大のカンパニーに
  • IoT導入関連に3年間で数十億円程度の設備投資、コスト削減も

川崎重工業は、航空宇宙システム事業の営業利益を2025年度に今期(19年3月期)見通しの約2倍の700億円超とすることを目指す。同社は組織改編で航空宇宙システムカンパニーを4月に立ち上げた。最大の売上高を占める同カンパニーの事業の効率化や拡大に取り組んでいる。

  同カンパニーは、これまでガスタービン・機械部門の一部だった航空エンジン事業を航空宇宙事業に統合し、航空機関連事業を一本化した。プレジデントの並木祐之常務はインタビューで、米国での民間旅客機用の機体部品生産を含む事業拡大や生産性向上で、営業利益率は中長期の経営目標9%を上回る10%超を目指すと語った。

Kawasaki Heavy Industries Jet Engine

ジェットエンジンの主要部分組み立て(川崎重工・西神工場)

Source: Kawasaki Heavy Industries

  並木常務は事業効率化に向け、あらゆるものがネットにつながるIoT導入関連に3年間で数十億円程度の設備投資を実施し、将来的には人工知能(AI)活用まで視野に入れる方針だ。コスト削減で25年まで徐々に収益基盤を確立する。

  同社は、鉄道車両事業の損失計上が響き、10月に今期業績予想を下方修正。売上高は前回予想比0.3%減の1兆6450億円、営業利益は同12%減の660億円に引き下げた。一方で、航空宇宙システム事業については、売上高は同3.2%増の4900億円、営業利益は同29%増の355億円、営業利益率は7.2%との見通しを示した。

民間機修理事業も視野

  航空エンジン事業は初期費用が巨額で、利益回収には時間がかかる。並木常務は、同事業の収益は5年から10年単位で見る必要があると説明。2000年代に入り同社が参画した製造プロジェクトで販売台数が好調に増えている米ボーイング787搭載の英ロールス・ロイス製エンジン「トレント1000」や、エアバス350に搭載の「トレントXWB」などは「20年代半ばに大きな利益が期待できる」との見通しを示した。

  このため、エンジンの部品の製造や組み立てを中心とする事業から、将来的には民間航空機エンジンの保守・管理や修理事業分野への進出も計画している。並木常務は「防衛部門の修理事業には既に取り組んでいるが、民間はエアバス旅客機A320ネオの小型エンジンから始めたい。設備投資をする必要があるため、20年代の開始をイメージしている」と述べた。

  同カンパニーが取り組む新事業の一例としては、航空機の発電装置を挙げる。同社はヘリコプターの開発で培ったギア製造と組み立て技術を応用し、航空機の発電装置を06年に開発。既に防衛分野では同社の製造する哨戒機Pー1や輸送機Cー2に採用されている。「現在米国1社が独占供給しているこの装置の民間航空機市場への投入を目指す」と明かした。

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