20年債利回り上昇か、JPモルガン証らは年末に3年ぶり水準を予想

  • 11社中5社が年末まで今年最高水準を更新と予想ー20年債利回り調査
  • 20年債は買い入れで面倒をみてもらえなくなる不安感があるとの指摘

国債市場では超長期債で最も発行規模が大きい20年物国債利回りが、日本銀行の金融政策修正を受けてさらに上昇圧力が掛かるとの見方が出ている。JPモルガン証券とBNPパリバ証券は年末に約3年ぶりの高水準まで達すると予想している。

年末時点の新発20年債利回り予想

Bloomberg

  ブルームバーグが国債市場特別参加者(プライマリーディーラー)11社に先週、2018年末時点の新発20年債利回りの見通しを聞いたところ、全体の半数近い5社が10月に付けた今年最高の0.69%を超えると予想。4社は調査時点の取引水準と横ばいで、2社は低下とみている。

  最も高かったのはJPモルガン証とBNPパリバ証の0.75%で、日銀がマイナス金利政策を導入した2016年2月以来の高水準となる。

  JPモルガン証の山脇貴史債券為替調査部長は、「日銀は国債買い入れを今後も着実に減らしていくが、長短金利操作のターゲットがある10年ゾーンは大幅な変動から守る優先度が高い」と予想。10年債から距離がある短中期債と超長期債から減額していくため、「20年債は買い入れであまり面倒をみてもらえなくなるという不安感がある」と言う。

国債買い入れ縮小

  日銀は国債市場の機能回復を図るため、巨額の購入規模を徐々に縮小している。7月末の金融政策修正を受けて、残存期間1年超5年以下の中期債は9月と11月に月間購入回数を削減。残存25年超は1回当たり買い入れ額を9月に500億円と、長短金利操作の導入以降で最低まで減らした。一方、金融政策操作対象の10年債利回りに直接影響する残存5年超10年以下は、9月からの回数減だけにとどめている。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、買い入れ減額などで金利が少しでも上がれば生命保険会社などからの押し目買いが期待できる30年債とは異なり、「20年債は銀行勢などの買いが途切れると地合いが弱くなりがちだ」と述べた。

  調査時点の取引水準とほぼ同じ0.65%と予想した岡三証券の鈴木誠債券ストラテジストは「日銀が金融機関の収益や市場機能への副作用に配慮した金融政策やオペ運営に舵を切っているが、金利上昇の容認は緩やかなペースで進む」と読む。

  一方、大和証券と東海東京証券の予測値は最も低い0.60%だった。大和証の山本徹チーフストラテジストは「日銀は付利と10年債利回りを固定しているので、動かせるのは超長期債しかない」と指摘。ただ、ドル建て資産の為替ヘッジコスト上昇やユーロ圏で来年から金融正常化が進むとの見通しから外国債券投資が難しくなっており、「円の超長期債しか残らないため、20年債に資金が集まって利回りは低下しがちになる」とみている。

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