【個別銘柄】資生堂や昭電工安く、千代建急落、楽天と東レは高い

9日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

資生堂(4911):5%安の7334円。8日発表した1-9月期営業利益は前年同期比44%増の1014億円、通期計画は前期比37%増の1100億円、市場予想は1251億円。野村証券の河野孝臣アナリストはリポートで、7-9月は日本の売れ筋商品で品切れが発生し、前年同期比で営業減益となったと指摘。第4四半期に改善が見込まれるものの、同証は18年12月期営業利益予想を1250億円から1195億に減額。ただ、中国本土での需要は引き続き強く、同地域での利益率改善などを踏まえて、来期以降の利益予想に大きな変更は行わなかった。

昭和電工(4004):5.2%安の4900円。通期営業益計画を1700億円に据え置き、市場予想1852億円を下回った。第3四半期まで黒鉛電極は堅調、同部門の営業利益は979億円で通期予想の80%を達成。通期を据え置く理由について会社から説明はないものの、「予想の達成に自信を深めている」とネットカンファレンスで加藤俊晴CFOが語った。エレクトロニクス事業は苦戦、部門営業益が前年同期比45%減。対通期での進捗率は67%。HDの出荷数量が前年同期比10%減、PC向けが不振だったと考えられると野村証の張一帆リサーチアナリストらが8日付メモで指摘した。

千代田化工建設(6366):15%安の356円。米キャメロン液化天然ガス(LNG)プロジェクトの工事コスト増加で今後、キャッシュ・フローの悪化が予想され、今期中にも新たな資金調達が必要となる見込みであることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していると決算短信に記載。4-9月(上期)決算は営業損失963億円、純損失1086億円。中期経営計画の見直しも発表、キャメロンLNGを含む遂行中案件の完遂や抜本的なコスト削減、財務体質強化などを骨子に含めた。

東芝(6502):2.4%安の3685円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は東芝の5カ年中期経営計画について、既存事業の延長線上に組み立てられているほか、数年以上前に競合他社の成長戦略の中核となっていた内容と類似しており、同業から数周回遅れている印象と指摘した。一方、特別配当や自社株買いの実施はポジティブで、LNGと英原発事業からの撤退の正式決定もリスク遮断の観点から好感されると分析。ただし、9月末のエネルギー事業の受注残が前年同期比19%減と縮小が続くなど本業には厳しさがあり、楽観できないとの見方も示した。

ネクソン(3659):12%安の1208円。8日発表によると、10ー12月(第4四半期)営業利益見通しは63億9000万-88億4000万円と、市場予想の156億7000万円を大幅に下回った。同四半期は韓国や中国で前年同期比で減収の見通し。韓国では、「メイプルストーリー」 以外の主力PCオンラインゲームが減収となるほか、「AxE」など前年に好調だったものが反動減の見込み。中国では、17年第4四半期に前年同期比48%増と大きかった反動減が見込まれる。

住友金属鉱山(5713):5.9%安の3515円。8日取引終了後に19年3月期の通期純利益予想を940億円から810億円に下方修正。非鉄金属価格の水準見直しで、資源と製錬のセグメントで利益が減少する見込みとし、期末配当予想を14円減額し1株当たり38円とした。SBI証券の雨宮京子シニアマーケットアドバイザーによると、資源価格の先行きは、米中貿易摩擦や新興国の景気悪化などで先行き不安感が高まっている。上期は好業績だったが、今期業績予想を減額修正し減配したことが嫌気された。

ニコン(7731):9.4%安の1870円。8日発表の7-9月(第2四半期)営業利益は前年同期比9.9%増の116億円、ブルームバーグの市場予想153億円に届かなかった。ジェフリーズ証券の中名生正弘アナリストはリポートで、会社計画比で36億円上振れたが、同証予想の114億円に対してほぼ同水準、映像事業の営業利益が計画比で下振れた点を指摘。フルサイズミラーレスの売り上げが本格化する下期の利益や来年度の映像事業の展開が今後の大きなポイントで、中期的にはフルサイズミラーレスを契機に顧客層を回復させ持続的成長を維持できるかどうかがカギだが、この点でまだ楽観視はできないと記述した。

カネカ(4118):4.4%安の4585円。7-9月(第2四半期)営業利益は80.2億円と、市場予想100.3億円を下回った。上期は自然災害や原料価格上昇など一時的な影響を受けたと会社側は説明。国内外で自然災害の影響を受けたとはいえ、営業利益は第2四半期だけを取り出せば、100億円台を確保してきた直近の業績に対して大きく後退した印象は否めないとSMBC日興証券の竹内忍アナリストがメモに記述。機能性樹脂、カネカロン、スマホ部材に代表される主要製品群の数量動向、海外市況下落に伴い値下げ圧力が強まる苛性ソーダの国内価格維持の可否が短期業績を左右するとも同氏。

東レ(3402):4.4%高の863.6円。7-9月(第2四半期)営業利益は前年同期比12%増の438億円と、市場予想を上回った。主力の繊維事業は国内外で自動車関連などの産業用途が堅調に推移。一方で、通期営業利益予想を1600億円と、従来見通しの1650億円から引き下げた。海外子会社で新規案件を立ち上げたが生産安定化に時間を要しており関連費用が増加するためと会社側は説明。

楽天(4755):3.2%高の930円。7-9月(第3四半期)営業利益は438億7000万円と、最も高い市場予想を上回った。SMBC日興証券の金森都アナリストはリポートで、7ー9月(第3四半期)の国内EC流通総額が前年同期比12.1%増と成長率がやや回復したのは好印象と評価。営業利益率も1.7%と、トラベルの好調やC2Cの課金開始で第2四半期の1.6%から改善した点はポジティブ。一方、その他インターネットやC&Sの赤字拡大が大きい点はネガティブな印象とも指摘した。

西武ホールディングス(9024):6.2%高の2179円。19年3月期の4-9月営業利益は420億円とコンセンサスと同水準での着地となった。SMBC日興証券の長谷川浩史アナリストはリポートで、台風など天候要因の影響が5億円程度生じたとみられるものの期初計画を26億円上振れたことは好印象と指摘。自己株を1.54%上限に取得すると発表したのはサプライズで素直に好感したいと記した。

丸井グループ(8252):7%高の2632円。同社は8日、2019年3月通期の営業利益計画を400億円から410億円に上方修正、2期連続の増収増益を達成見込みでEPSは過去最高の114.4円を計画と発表。野村証券の青木英彦アナリストはリポートで、独自の事業モデルに対する認知が高まる局面とし、目標株価を2800円から3200円に引き上げた。今後3年間の中期営業利益成長率は年率14%と百貨店平均の同9%を上回ることから、適用PERを20倍から22倍に上げたと説明。独自の戦略展開が好業績に結実するにつれ、百貨店平均よりも高いPERが正当化され得るという。

メルカリ(4385):4%高の3115円。8日発表した7-9月(第1四半期)の営業損益は25億1300万円の赤字。広告宣伝費の使用などが響いた。今期から四半期連結財務諸表を作成しており、前年同期との比較はない。国内ではテレビCMやオンライン広告を中心にマーケティング施策を展開、海外ではサービスの利便性向上へ機能開発や改善、配送機能の向上に注力した。一方、第1四半期の総取扱高(GMV)は前年同期比43%増の1071億円、日本は41%増、グローバルは77%増だった。モルガン・スタンレーMUFG証券は、第1四半期の営業赤字は投資フェーズの必然と指摘。国内、海外ともGMVは、前期第4四半期は減速懸念が支配的だったが、季節的に弱い第1四半期で前年同期比、四半期比で拡大し、低迷している株価にポジティブとの見方を示した。

ディー・エヌ・エー(2432):2.8%高の2150円。8日発表した4-9月営業利益は前年同期比22%減の107億円、通期計画は前期比44%減の155億円を据え置いた、進捗(しんちょく)率は69%。SMBC日興証券の前田栄二アナリストらはリポートで、7-9月は前四半期比8.7%営業増益となったとし、スポーツ事業の利益拡大がポジティブな半面、ゲーム事業の利益減少傾向が続いている点はネガティブと指摘。第3四半期以降も既存タイトルの底打ちやオリジナル新規タイトルのヒットは見込みにくいと考える一方で、任天堂との協業タイトル「マリオカートツアー」、中国テンセントの人気タイトルで同社が日本での運営支援を行う「伝説対決-Arena of Valor-」の配信開始のタイミングやヒットの度合いにより、業績が加速する可能性を残しているとみる。

スシローグローバルホールディングス(3563):5.1%高の6360円。8日発表の2018年9月期決算は営業利益が前の期比27%増の117億円、19年9月期計画は前期比7.2%増の126億円、市場予想は133億円、中期経営計画で21年9月期に連結売上高2400億円の目標。みずほ証券の朝枝英也アナリストらはリポートで、今期2桁増収のガイダンスや新中計で新たに利益成長目標を提示した点はポジティブと評価。回転寿司業界のトッププレーヤーかつ海外成長ストーリーを見込める銘柄として、投資判断「買い」を継続。

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