【日本株週間展望】上昇、堅調な景気や割安感を見直し-米金利注視

  • 小売売上や消費者物価などで足元の順調な米景気状況を確認へ
  • 米長期金利は高止まり警戒、パウエル米FRB議長の発言見極め

11月2週(12ー16日)の日本株は上昇が予想される。米国中間選挙の重要イベントを通過し、再び足元の景気や企業業績などファンダメンタルズの堅調さが意識され株価の割安感が見直されそう。半面、高止まり傾向にある米国の長期金利動向は注視される。

  米国では14日に10月の消費者物価(CPI)、15日に小売売上高や11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が予定される。消費者物価は変動の大きい食品・エネルギーを除くコア指数が前年比2.2%上昇と前月と伸び率は変わらず、小売売上高は前月比0.5%増と前月(0.1%増)から改善、フィラデルフィア連銀指数は21.0と前月(22.2)から低下が見込まれる。良好な個人消費と物価の落ち着きが意識されれば、景気に対する過度な不安が後退しそう。このほか、中国では14日に10月の鉱工業生産や都市部固定資産投資などがあり、おおむね横ばい圏が予想されている。

  一方、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、経済活動は力強いペースで拡大しているとして利上げを継続する方針を維持した。米長期金利は3.2%台で高止まりするなど、米国株市場にとって上値の重しとなっている。14日に予定される米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演内容次第では株式市場に影響を与える可能性がある。

  国内では国内総生産(GDP)が予定され、7-9月期は実質前期比0.3%減(前回0.7%増)と2期ぶりのマイナス成長が予想される。ただ、自然災害の下押し要因も大きいとあって、株価への影響は限定されそう。企業決算では13日に三菱UFJフィナンシャル・グループやリクルートホールディングス、14日に三井住友フィナンシャルグループがある。TOPIXの1年先PER(株価収益率)は12.5倍と、過去4年間の平均13.9倍に比べて低い水準にある。第1週のTOPIXは週間で0.9%高の1672.98。

≪市場関係者の見方≫
アセットマネジメントOne運用本部の柏原延行チーフ・グローバル・ストラテジスト
  「じり高の展開となりそうだ。米国経済は個人部門が強いというのが市場コンセンサスで、雇用の良さから年末商戦に向けても個人消費は悪くなる理由が見当たらない。一方、米企業部門は良くないものの、今回の製造業指数が良ければ安心感につながりそう。貿易問題も現在のところ米国の物価に悪影響を与えてはおらず、インフレは落ち着いているとのイメージが強い。米長期金利は跳ねないだろう。ほぼ終了しつつある国内決算も、現時点で今期経常利益予想が一桁台後半にあるなど懸念されるほど悪化しているわけではない。日本株は割高感がない水準だけに、米国政治状況を巡る不透明要因がなくなり、出そろった決算を受けて企業業績はそれほど悪くないとの認識が広がりそうだ」

三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト
  「じり高だろう。米消費者物価は市場予想通りなら落ち着いた水準で大きな混乱はなく、小売売上高も消費の底堅さが確認できるとみられ、経済堅調が続くことで株式市場にとってプラスに働く。中国の経済指標はおおむね前回から横ばいが見込まれていて安定した感じ。日本企業の上期決算は昨年ほどの勢いはなく、米中通商問題で慎重な姿勢の企業も多いが、全体的には通期で増収増益の見通しと悪くなく、割安評価もあって好業績銘柄を中心に買いが期待できる。ただ、米国は景気が強いことから各指標が上振れてくるとインフレ懸念で長期金利が上昇しやすくなり、株安を招くリスクには注意。中国についても米中貿易摩擦が実体経済にじわじわと影響を与え始めており、下振れるリスクへの警戒は必要」

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