東芝、2023年度のROE15%に引き上げへ

更新日時
  • 今期の営業利益計画を従来700億円から600億円に下方修正
  • 英原発、米LNG撤退で「リスク資産処理に一定のめど」-CFO
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

経営再建中の東芝は8日、今後5カ年の中期経営計画を発表した。2023年度の売上高4兆円、株主資本利益率(ROE)15%レベルまでの向上を目指す。

  成長に向けた施策として、8100億円の設備投資、9300億円の研究開発投資を計画する。リチウムイオン電池、輸送・産業システム、精密医療関連などの分野に集中投資する。構造改革費用を織り込んだため、今期(2019年3月期)の営業利益計画を従来700億円から600億円に下方修正した。

  株主還元では、9日から19年11月8日までを期間とし、発行済み株式総数の40%相当(2億6000万株、7000億円上限)の自社株買いを実施。12月末を基準日に1株20円の特別配当を行う。4年ぶりの復配となる。

数値目標

18年度19年度21年度23年度
売上3.6兆円3.4兆円3.7兆円4.0兆円以上
営業利益600億円1400億円2400億円利益率8-10%
ROE▲13%6%以上10%以上約15%

中期経営計画を発表した東芝

  人件費を削減するため、自然減や早期退職により5年間で7000人を削減するリストラ策も同時に公表した。早期退職の対象は約1060人で、東芝エネルギーシステムズが中心。実施費用は全体で約139億円で、うち約94億円は18年度中に計上する。

  車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)は会見で、今後の成長投資に関連して「デジタル社会を支えるキーデバイスは電池と半導体だ」と意欲を見せた。5年後には「基本的な力がある会社。グローバルにも業界内でも十分な収益性を持つ会社になりたい」とした。

通期業績計画

  • 営業利益600億円、従来700億円-市場予想838.3億円
  • 純利益9200億円、従来1.07兆円-市場予想1.1兆円
  • 通期売上高予想を3.6兆円に据え置き-市場予想3.62兆円

  同社は米原発事業の失敗に伴う巨額損失で一時上場廃止の危機に立たされた。しかし、海外機関投資家を引受先とする増資や、稼ぎ頭だった半導体事業の一部売却により2年連続の債務超過を回避して上場を維持。不採算部門のテレビやパソコン事業からも撤退していた。今後は早期にビジネスモデルの再構築を進める。

  英国の原子力発電事業からの撤退を決め、連結子会社のニュージェネレーション社を清算する。米国の液化天然ガス(LNG)事業からも撤退し、損失約930億円を計上する見込み。同事業は中国のENNエコロジカル・ホールディングスに譲渡することを決めた。

  平田政善最高財務責任者(CFO)は会見で、英米両事業の撤退により「リスク資産の処理、切り離しに一定のめどをつけた」と述べた。

7-9月期決算の概要

  • 営業利益62.5億円、市場予想158億円
  • 純利益654.1億円、市場予想405.6億円
  • 売上高9356.8億円、市場予想9028.9億円

  8日の東芝株は続伸して始まり、中期経営計画を受けた午後の取引で一段高。一時14%高の3810円と16年12月27日以来、約1年10カ月ぶりの高値を付けた。

(会見のもようや中計の詳細、株価動向を追加しました.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE