和製アマゾン・ゴーが人気、開発のサインポスト-株価うなぎ上り

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  • 財布いらず無人の「スーパーワンダーレジ」-20年度までに3万台目標
  • 蒲原社長は元三菱UFJのシステム担当、試行錯誤重ねAIも活用

交通系電子マネー「スイカ」を入り口でかざし、陳列棚に並ぶ総菜パンやお茶を手に取り、出口で再びスイカをかざせば買い物が終わる。JR赤羽駅構内に10月中旬に新設された店舗は、米アマゾン・ドット・コムのレジなしストア「アマゾン・ゴー」と似た体験ができると関心を集め、連日にぎわっている。

  この人気スポットに無人決済システム「スーパーワンダーレジ」を提供するのが、東証マザーズ上場のサインポストだ。これまで買い物かごにカメラを取り付けたり、X線を活用したりと試行錯誤を重ねてきたが、画像を認識する人工知能(AI)を活用して商品を識別し、支払額の計算、決済まで完結させる方法にたどり着いた。

無人レジを採用するJR赤羽駅の特設店舗

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  サインポストの蒲原寧社長はインタビューで「電車も高速もスルーできるのに、なぜレジだけ待たなければならないのか」と開発動機を語った。9月の有効求人倍率が1.64倍と1970年代以来の高水準となる中、無人レジは人手不足解消にもつながる。蒲原氏は「社会問題を解決したい」との気持ちもあり、開発に力が入ったと言う。

  アマゾン・ゴーは、決済アプリを備えたスマートフォンさえあれば、手ぶらで買い物が楽しめるのが特長で、利便性はスーパーワンダーレジと類似する。技術の独自開発という点も同じだ。しかし、ビジネスモデルは違う。アマゾンは自らも物品を販売しているが、サインポストは無人レジというプラットホームの提供者だ。

2020年度までに3万台

  スーパーワンダーレジ(約500平方メートルの店舗で1億円程度の導入費用を想定)は電子マネーだけでなく、クレジットカードや現金にも対応できる。昨年商品化され、既にクレジットカード会社ジェーシービー内の売店や電気通信大学の生協などで採用されている1代前の「ワンダーレジ」(1台100万円前後)と合わせ、2020年度(21年2月期)までに国内で3万台の導入を目指す。

  サインポストの上期(3-8月)売上高14億2300万円のうち、8割以上はコンサルティング事業が占め、レジなどのイノベーション事業は1600万円にとどまる。蒲原氏はイノベーション事業について、小売店側の情報技術(IT)やAIに対する意識の高まり、人手不足の深刻化で「AIレジ元年」とにらむ来期(20年2月期)以降の黒字化を目指す。

無人レジでの買い物風景

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  岩井コスモ証券の川崎朝映アナリストは、コンビニエンスストアや小売店が人手不足を背景に無人店舗を検討し始める中、無人レジは問題解消の鍵で「スーパーワンダーのような有力製品を開発するサインポストの成長は期待できる」と分析。「技術の進歩は速く、逆に小さい会社だからこそ、動きが早いかもしれない」と指摘した。

「アマゾン・ゴー」に日本でライバル登場

  サインポストは、三菱UFJフィナンシャル・グループでシステム担当だった蒲原氏が07年に設立、17年11月にマザーズに上場した。スーパーワンダーレジについて蒲原氏は、今回の実証実験で得られたデータを基に技術の改良を行い、来春ごろには改良版を完成させる計画だ。

  同社の株価は8日の取引で、一時前日比4.9%高の5240円と上場来高値を更新。昨年11月の株式公開価格から9.5倍に上昇した。

(最終段落に株価動向を追加しました.)
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