Photographer: Andrew Harrer

米中間選挙のポイント早分かり-結果予測と選挙後の市場見通し

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  • 民主党が下院過半数奪還なら法案審議の行き詰まりは悪化も
  • ねじれ議会なら減税廃止などの可能性なくなる-市場は安心か
Photographer: Andrew Harrer

2018年米中間選挙​​は記憶にある限り、最も注目を集め、最も多額の選挙資金が費やされ、最も気をもませる議会選挙となっている。中間選挙は大統領への国民の審判という意味合いが強いが、今年は特にそれが顕著だ。

  選挙戦最終盤のポイントは以下の通り。

1.定評ある政治分析機関の予測

  • 民主党が下院の過半数議席を獲得する。民主党は共和党から23議席奪う必要がある。定評あるクック・ポリティカル・リポートは5日、「民主党は下院支配の大本命であり、20-40議席増やす可能性がある」と分析した
  • 共和党が上院を掌握する。現在の51対49よりもさらに1、2議席上積みする可能性がある
  • 重要な州知事選で民主党が大勝する。激戦となっているオハイオ、フロリダ、ウィスコンシン、ミシガンの各州で民主党の州知事候補が勝利すれば、仮に民主党が下院の過半数議席を得られなくても打撃を和らげることになる

2.しかし民主党が一転ひやひやする状況に

  • 民主党議員らは16年大統領選でも勝利は確実と思っていたが、まさかと思っていたトランプ氏に敗北。今回もトランプ氏の下で同じようなことが起きるのではないかという恐れがある
  • 世論調査も民主党の下院掌握が確実とはみていない。先週末に発表された一部世論調査では、民主党のリードが10月から縮まった

3.民主党が一党支配政治を終わらせたらこうなる

  • 法案審議の行き詰まりが一段と悪化
  • 民主党のナンシー・ペロシ氏が下院議長に復帰
  • 女性議員が過去最多に
  • 議会調査と召喚状交付が相次ぐ。民主党が目指す可能性があるのは、下院のロシア調査再開やトランプ大統領の納税申告書入手、大統領の事業調査、省庁の調査
  • 下院金融委員長への就任が見込まれるマキシン・ウォーターズ議員は、住宅・銀行危機で銀行が一般市民に行ったことを銀行にやり返すと明言している

4.市場は民主の下院掌握でも問題ない見込み

  • 投資家は一般的に、ねじれ議会による法制化の行き詰まりを好感する。というのは、民主党は法案審議が足踏み状態のため、減税の廃止や、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の主要部分の復活を行えないからだ
  • 市場は主としてトランプ大統領の減税に対して報いたが、現在は手詰まり状態を受け入れることで満足しているようだ
  • 民主党の下院掌握は多くの人が基本シナリオとして予想しており、実際にそうなった時に株価が大きく変動することはないだろう
  • 実際、株式相場は多くの懸念材料を既にはき出したもようだ。S&P500株価指数は10月に6.9%下落と、月間で11年9月以来の大幅な下げだった。現在、株価が平静を保つことができるとしたら、それは10月にそれをいったん失ったためだろう
  • 注意事項:トランプ大統領が民主党批判のツイート発信を増やせば、変動性は高まる

5.民主党はトランプ大統領の国内政策を阻止し得る

  • 減税第2弾は不可能に
  • オバマケア廃止もできない
  • 金融規制改革法のさらなる緩和もできなくなる
  • 国防強化は減速する

6.民主党はトランプ大統領の外交政策を阻止できず

  • 米大統領は外交政策を一方的に実行する幅広い権限を持つ
  • イラン制裁は維持される
  • トランプ大統領が今月末からの20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて開かれる米中首脳会談で合意を目指す中でも中国との貿易戦争は続く
  • 追加関税も維持される
  • 北朝鮮との協議は続く
  • 例外:ロシア追加制裁と、ジャーナリストのジャマル・カショギ氏殺害を巡るサウジアラビア制裁に関しては議会で超党派の協力があるかもしれない

7.モラー特別検察官を巡る3つのシナリオ

  • モラー特別検察官は現在、選挙前のブラックアウト期間に入っている。選挙後は新たな訴追も自由にできる
  • 辞職が見込まれるセッションズ司法長官に注目集まる
  • シナリオ1:モラー氏は変化なし。ローゼンスタイン司法副長官は職にとどまり、モラー氏の監督を続ける
  • シナリオ2:ローゼンスタイン副長官も辞任し、モラー氏には新たな監督者がつく。その場合、監督が厳しくなる可能性がある
  • シナリオ3:トランプ大統領がモラー氏の捜査を終わらせる。ただし、民主党が下院を把握した場合はトランプ大統領が司法妨害に問われる恐れがあるため、その可能性は非常に低くなる

8.大統領の弾劾手続き

  • 民主党指導部は、大統領弾劾手続きを開始する下院を掌握したとしても、トランプ大統領の弾劾手続きを始めるつもりはないと強く主張してきた
  • 民主党の下院議員候補で弾劾を主張する者は非常に少ないが、民主党が勝利によって自信を深めればその数は増える可能性がある

9.16年大統領選の再現となった場合はどうなる

  • 2年前、ヒラリー・クリントン氏が勝利するとの世論調査の予測は外れた
  • 共和党が上下両院支配を維持した場合、トランプ大統領は自分の手柄だと主張するだろう。大統領は選挙戦最終盤に8州の11の選挙集会を回り、移民問題を強調するとともに、民主党は不法移民に甘い態度だと非難した
  • トランプ大統領は自分の型破りのやり方がうまく行ったと主張し、大統領と顧問らは一段と「トランプ流」を自由に貫こうとするだろう
  • 民主党は「なぜこの男を止められないか」と深い絶望に陥る
  • 国境の壁建設費確保を巡り、暫定予算が失効する12月7日にトランプ大統領は以前から望んでいた政府機関閉鎖を実現

10.20年大統領選が早くもスタート

  • 民主党が下院と重要知事選で勝利した場合:16年大統領選でトランプ氏が勝利したペンシルベニア、オハイオ、フロリダなどの州で票を増やしたことを意味する。20年大統領選でトランプ氏に勝つと期待しつつ、民主党内のリベラル派と穏健派の争いは続く
  • 民主党が下院で敗れた場合:トランプ大統領の掲げる政策が国民に支持されていることを意味し、再選の見通しが高まる。これは民主党から大統領選出馬を検討しているとされる人物のうち、マイケル・アベナッティ氏のような鼻っぱしが強い人物に有利であり、コーリー・ブッカー上院議員のように穏やかな人物には不利になりそうだ。民主党内の一部からは、「トランプ氏を破るにはトランプ氏のような人物が必要」との見方が出ており、こうした声が高まる可能性がある

原題:Midterms Speed Read: All You Need to Know About Tuesday’s Vote(抜粋)

(外交政策やモラー氏捜査などの見通しを追加して更新します.)
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