モバイルゲーム業界「金のなる木」ガチャ時代終焉で構造転換急ぐ

  • 携帯ゲーム12社、過去10年超で累計6兆円超稼ぐもピークアウト
  • ミクシィはスポーツや健康、グリーは「Vチューバ-」など多角化

日本のモバイルゲーム業界で事業転換を図る動きが広がっている。登場するキャラクターやアイテムを抽選で購入するガチャ機能を採用したゲームが「金のなる木」となり、過去十数年にわたり業界を潤してきたが、その勢いが衰えてきたからだ。

  ミクシィガンホー・オンライン・エンターテイメントなど主な携帯ゲーム会社は合計で2007年以降、累積6兆円超を稼ぎ出してきた。ブルームバーグが業界団体モバイル・コンテンツ・フォーラムのデータなどを集計・分析した。人気ゲームの代表作はミクシィの「モンスターストライク」やガンホーの「パズル&ドラゴンズ」だ。

ガンホーのパズドラ

Bloomberg

  東京拠点のコンサルタント、カンタンゲームズのセルカン・トト代表は「本当に楽園のようだった」と指摘する。ガチャは技術が簡易で、利用者も欲しいキャラクター目当てでギャンブル的にお金をつぎ込む「極めて効率的な収益化の仕組みだ」と分析する。

  しかし、ここ数年、日本のモバイルゲーム業界は新たなヒット作を生み出しておらず、中国や韓国勢の人気タイトルに押されている。子供が多額のガチャ購入代金を請求されるなど社会問題化もあり、ガチャゲーム時代は終焉を迎えつつある。ミクシィやガンホーなどの収益の減少傾向は明確だ。
 
  13年に配信を開始したモンストが人気のミクシィ。木村弘毅社長はゲームのヒットを頻繁に繰り出すのは簡単ではないとして、スポーツや健康関連事業の拡大を進めている。同社はSNS(会員制交流サイト)事業が下火になり低迷した業績をモンストの成功で立て直したが、また別の収益源の育成が課題となった。

自動運転やVチューバ―

  既に「ゲームの次」に乗り出した企業は少なくない。ディー・エヌ・エー(DeNA)はプロ野球横浜DeNAベイスターズの運営が好調で、自動運転の実証実験にも積極的だ。グリーは3Dキャラクターがユーチューバーになる「Vチューバ-」や仮想現実(VR)関連技術に開発費をシフト。サイバーエージェントはインターネットテレビ局「Abema(アベマ)TV」を開設した。

  12年にパズドラを配信したガンホー株は翌13年に1500円台に上昇したが、直近では200円台前半に低迷。14年配信の「白猫プロジェクト」が人気化したコロプラ株も同年8月高値の6分の1になった。カンタンゲームズのトト氏は「モバイルゲームは成熟市場になった」と言う。

  ゴールドマン・サックス証券の杉山賢アナリストは、コナミホールディングスやカプコンなどゲーム機向けのソフト会社には「プレーを革新しようというイノベーションや面白さを突き詰めるカルチャーやDNAがある」と言う。しかし、モバイル系ゲーム会社はLTV(顧客生涯価値)を重視するなど「エンターテインメントでのヒット創出につながりやすい思考とは違うのかもしれない」と分析した。

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