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【日本株週間展望】続伸、イベント通過で割安さ評価-米中間選挙注視

  • 米中間選挙は上院は共和党、下院は民主党が過半数獲得の事前見通し
  • 米中摩擦懸念もいったん緩和か、国内決算はソフバンクやトヨタなど

11月1週(5ー9日)の日本株相場は米国の中間選挙をにらんだ展開となり、週後半にかけて選挙結果が判明するに連れ、売られ過ぎた株価や企業業績を見直す流れが強まりそう。

  6日(日本時間7日)に実施される米中間選挙について、米クック・ポリティカル・リポートは民主党が最大で35議席増やす可能性があると分析した。同党は23議席増やせば過半数を取り戻せる。一方、上院は共和党が引き続き過半数を確保するとみられている。上下両院で「ねじれ」議会となることは、トランプ米大統領の政策遂行にとってマイナス要因との見方が市場では多い。ただ、コンセンサス通りであれば株式市場では不確実性の解消をより評価しそうだ。

  米国では5日に10月の供給管理協会(ISM)非製造業景況指数、7、8日の両日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定される。ISM非製造業は9月の61.6から59.4への低下が見込まれるが、前回が1997年に次ぐ高水準だったため影響は軽微とみられる。最近の株価急落でも投資家は12月の利上げ観測を後退させておらず、FOMCは波乱要因にならなさそう。トランプ米大統領は1日、中国の習近平国家主席と電話会談し、通商問題について「協議が順調に進展している」とツイートで明らかにした。関係者によると、大統領は中国との貿易合意の草案作成を重要閣僚に要請した。中間選挙という政治的なイベントが終わるタイミングでは、米中摩擦懸念もいったん後退しやすい。

  国内では引き続き多くの企業が決算を発表する。大和証券が2日に公表した企業収益動向によると、TOPIX1000ベースの7-9月期の営業利益は事前コンセンサスに比べて10%以上の上方着地が22.5%、10%以上の下方着地が39.5%だった。5日にソフトバンクグループ、6日にトヨタ自動車、7日に明治ホールディングスなどが予定しており、内容が想定ほど良くないとの見方が強まれば、株価の上値を抑える可能性がある。8日に9月機械受注、9日は株価指数オプション11月限の特別清算値(SQ)が算出される。10月第5週の日経平均株価は週間で5%高の2万2243円66銭と5週ぶりに反発し、2016年7月2週以来の大幅高。

10月5週は2016年7月2週以来の大幅高

≪市場関係者の見方≫
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之シニアストラテジスト
  「戻りを試す展開を予想している。ことしの大きな政治イベントである米中間選挙が最大の注目点で、コンセンサス通りねじれ状態となれば税制や財政など景気刺激策が滞ることやロシアゲートなどの追及が蒸し返される可能性が残る。ただし、マイナス面は株価に織り込んでいる上、政権そのものが交代するわけではなく、想定通りの結果ならむしろ悪材料出尽くしとなるだろう。企業決算は日米とも思ったほど良くないが、それほど悪くもないという印象。特に受注など見通しに関してはネガティブ傾向が強く、通商問題による景気下押しの悪影響を経営者が意識していることが明らかになった。もっとも、10月の日米株下落はボラティリティーの高まりによるリスクパリティの売りやヘッジファンドの売り崩しなど需給要因がかなりあったとみられる。足元の業績状況を考慮しても日経平均はPER12倍台と割安感があり、13-14倍台まで戻っても不思議ではない」

SMBC信託銀行投資調査部の佐溝将司マーケットアナリスト
  「米中間選挙という大きなイベントを波乱なく通過し、先行き不透明感が払拭(ふっしょく)されて株価は上昇に向かうだろう。中間選挙のメインシナリオとなっている上院が共和党、下院が民主党か、上・下院ともに共和党となれば、混乱をきたさない点で株式市場にプラスに働く。米国が中国との貿易合意に向けて動きを見せ始めたことはポジティブ。米中間選挙後のマーケットの注目は米中首脳会談に移る。ただ、日本企業は業績予想の上方修正に慎重で、あってもコンセンサスを下回るなどあまり強い内容が出てきていない。これまで売られ過ぎた反動の買い戻しが一巡した後、さらに買い上がっていくには材料不足だ。日米通商協議は続いており、自動車関税や為替条項要求などリスクはくすぶり続ける。日米ともに株安を招いた米長期金利は高止まりしており、警戒は必要」

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