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【コラム】トランプ氏の衝動、投票で阻止を-マイケル・ブルームバーグ

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 Photographer: Saul Loeb/AFP/Getty Images

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ユダヤ教礼拝所でアメリカ人11人が虐殺され、政権に批判的な人物に爆発物が送付されるというおぞましい事件が続いた米国で、トランプ大統領はその傷を癒やすどころか悪化させることを選んだ。その理由は中間選挙で共和党の票を伸ばしたいという、このうえなく侮辱的なものだ。これほどまでに政治が誠実さから遠ざかり、堕落したことはない。

  中南米から米国を目指して北上する移民キャラバン数千人の入国を阻止するため、5000人余りの米兵部隊を南部国境に配備するというトランプ大統領の決定も、党利党略の臭いがプンプンする。キャラバンが国境に到着するのはまだ数週間も先で、その多くは子供だ。引き返した者も多く、これまでのキャラバンがそうだったように、離脱者はさらに増えると見込まれる。

  不法入国を阻止する手続きを含め、国境警備と関係当局で対応は十分に可能だ。軍を派遣し、キャラバンを「侵略」と呼ぶ理由はただ一つ、人々の不安をかき立て、反移民感情の強い有権者を投票所に向かわせる思惑だ。

  このように醜悪なハロウィーンのトリックに、米市民はだまされてはいけない。米国は恐怖やヒステリーに訴えることなく、政治的な見せ物のために軍の時間や資源を浪費することなく、国境を守ることが可能であり、そうでなければならない。われわれは移民国家だ。移民の受け入れと国境の安全保障との間で選択を迫られる必要はない。

  残念ながら、米国を分断するためにトランプ大統領が移民を利用するやり方は、軍配備だけではない。米国人の神聖な権利である、国内出生者に対する市民権の付与を大統領令で廃止するとトランプ氏は今週発表した。

  憲法上だけでなく、政治的にもトランプ大統領は間違っている。世論調査では、米国人の大部分が米国籍の出生地主義を支持している。出生地主義に疑問を唱える向きでさえ、わざわざ中間選挙直前を狙っての発表は、すでに不必要に熱くなり過ぎた問題で米国をさらに分断することを狙ったものだと認めざるを得ないだろう。

  最終的にやらないと分かっているのに取りかかることは多いと、大統領は話している。この件もそうなることを祈ろう。もしこの大統領令に署名しても、裁判所にはねつけられるだろう。大統領はそれでも構わないようだが、そうであっては困る。一般市民もそうだ。

  憲法に制約されないと感じている大統領には、その権力をチェックする議会がどうしても必要だ。共和党はそれを拒んでいる。私は党派に強いこだわりはないが今回の選挙に関しては、合衆国憲法を尊重するなら誰しも支持政党に関わりなく民主党に投票するべきだと信じる。無謀で制御不能な大統領に抑制と均衡を働かせることのできる議会を確保し、大統領の衝動を阻止するためだ。
  
(著者は前ニューヨーク市長で、ブルームバーグ・ニュースの親会社ブルームバーグ・エル・ピー創業者で過半数株主。このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではない)
原題:Trump Makes Case for Democratic Congress: Michael R. Bloomberg(抜粋)

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