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長期金利が上昇、米中懸念緩和で売り優勢-運用変更後のオペ無難通過

更新日時
  • 長期金利は一時0.115%に低下、午後に0.125%まで上昇
  • 米中懸念が軽減されれば、金利観を大きく変える話-SBI証

債券市場では長期金利が上昇。米国と中国間の貿易摩擦を巡る懸念緩和を背景に株高・円安が進んだ流れを受けて、債券売り圧力が強まった。日本銀行の買い入れ運営方針見直し後で初めてとなるオペでは中期ゾーンの月間買い入れ額が減少する見通しになったものの、影響は限定的となった。

  2日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の352回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.115%で取引を開始。いったん0.12%を付けたが、午前の日銀オペ通知後には0.115%に戻す場面もあった。午後には米中貿易摩擦を巡る懸念緩和で債券売りに転じ、0.125%まで水準を切り上げた。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「米中貿易戦争は世界経済のダウンサイドリスクになっており、仮にそれが軽減されるのであれば、来年以降も現在の米利上げペースが続く可能性が出てくるなど、金利観が大きく変わる話になる。債券市場では、日銀オペ見直しに絡む材料をこなして買われていたタイミングだったので、揺り戻しの動きにつながった」と指摘。ただ、中間選挙前のリップサービスの可能性もあり、実現性には疑問符が付くと話した。

日米の長期金利推移

  長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比5銭高の150円70銭で取引開始。一時150円75銭まで水準を切り上げたが、その後は米中貿易関係の改善期待を背景に150円56銭まで下げ、結局は1銭安の150円64銭で引けた。

  トランプ米大統領はアルゼンチンで今月行われる20カ国・地域(G20)首脳会議で貿易について中国の習近平国家主席と合意に達したい考えで、想定される条件の草稿の作成を開始するよう重要閣僚に求めた。事情に詳しい関係者4人が明らかにした。

  これを受けて、米国債がこの日の時間外取引で売られ、米10年国債利回りは上昇。一方、日本株相場は大幅高となり、外国為替市場では円が全面安となった。

米中貿易交渉に関する詳細はこちらをご覧下さい。

日銀オペ

  日銀はこの日、中期と長期ゾーンを対象に国債買い入れオペを実施した。買い入れ額は残存期間1年超3年以下が3500億円、3年超5年以下が4000億円とそれぞれ前回から増額。両ゾーンの購入が据え置かれた場合、月間の買い入れは前月からそれぞれ1回削減されたことで合計2500億円減少する見通し。一方、5年超10年以下は4500億円に据え置かれた。オペ結果は各年限で応札倍率が低下した。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、「日銀はもともと買い入れを減らす意図があってオペ運営を進めていると思うので、それを踏まえると想定通りの買い入れ額だった」とし、大きな影響はないとみる。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。

新発国債利回り(午後3時時点)

前日比
2年債-0.135%-0.5bp
5年債-0.080%+0.5bp
10年債 0.125%+0.5bp
20年債 0.655%+0.5bp
30年債 0.875%+0.5bp
40年債 1.030% 横ばい
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