日本の現金崇拝に終止符、Origamiがスマホ決済「戦国時代」に勝機

  • 9月に総額66.6億円の資金調達発表、社員を倍以上に-康井社長
  • 楽天やLINE、ヤフー、メルカリもキャッシュレス決済に参入

タクシーやレストランでの支払いの際、スマートフォンでバーコードを読み込むのが一般的なアジアの中で、現金利用率が高い日本は例外のままだ。大手インターネット企業が新たな支払い市場の覇権を競う中、Origami(オリガミ、東京都港区)はスマートフォンを使ったQRコード決済に勝機があるとみている。

  同社のアプリ「Origami Pay」の利用者は会計時にバーコードを提示したり、スマホをかざすだけで支払いができる。2015年後半の業務開始以降、業績は順調に推移し、ケンタッキーフライドチキンやタクシー会社の日本交通、ローソンで使えるようになった。

OrigamiのQRコード決済サービス

Source: Origami Inc.

  9月には総額66.6億円の資金調達を発表。康井義貴社長は英語で行ったインタビューで、事業を全国に拡大し、約100人の社員を倍以上に増やしたいと話した。

  オリガミにとっては難しい戦いだ。インターネット通販や銀行を傘下に持つ楽天は1500万人超のクレジットカード契約を保有し、携帯電話事業にも進出する。LINE(ライン)のメッセージサービスは、日本人の半分が毎日使っている。ヤフーソフトバンクグループはインド最大のデジタル決済企業であるPaytm(ペイティーエム)と提携し、10万人が使うフリーマーケットアプリ国内最大手のメルカリもキャッシュレス決済サービスへの参入を表明している。

  米国モーニングスターの伊藤和典アナリストは、ラインやヤフー、楽天が自社の幅広いサービスやポイント還元の一環として携帯決済サービスを作り上げようとするのは理解できると指摘。決済サービスだけで収益を上げるのは、「ほぼ不可能だろう」との見方を示した。

康井社長

Source: Origami Inc.

  一方、オリガミの康井社長は、大手企業は利用者を囲い込まなくてはならず、顧客と直接の関係を築きたい事業者とは利益が一致しないと述べた。オリガミは、手紙や電子メールに従来頼ってきた事業者がスマホを通じて顧客に接近するため、サービスを導入するとみている。美容室が以前の利用客に割引券を送付するといった例が考えられる。

  「携帯決済戦国時代といったようによく言われるが、本当の敵は現金だ」と康井社長は話した。「市場が拡大すれば、全員が勝者になれる」と言う。

  利用者を増やすため、オリガミはクレジットカード会社との提携を進めている。9月発表の資金調達ではトヨタ傘下のトヨタファイナンスに加え、クレディセゾンやJCB、三井住友カード、銀聯国際といったカード会社が参加した。

  康井社長は、「データが得るため、全てのカード会社が携帯決済市場に参入したいと思っている。私たちはそのためのインフラになることができる」と話している。

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