日銀会合:先行きを心配している雰囲気の印象ー市場の見方

日本銀行は31日発表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、消費者物価の見通しを7月に続き一段と下方修正した。同日の金融政策決定会合では、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を7対2の賛成多数で決定した。市場関係者の見方は以下の通り。

  • 農林中金総合研究所主席研究員の南武志氏:
    • 7月に持続可能性を高めるための措置を高じ、9月と今回はその金融政策を継続している。消費税増税前後までしばらくはこういう状況が続く
    • 足元の物価が弱く、原油効果も年末にかけて落ちるので、それを対応したということ。そもそも日銀の物価見通しが高過ぎたということがあったため、それが修正されている
    • 下振れリスクについては、海外経済にも不安をうかがわせるような書きぶりになっている
    • 半年に一回金融システムリポートで、超低金利環境が続くことで金融機関経営に与える潜在的リスクはかねがね指摘されてきた。金利変動幅を拡大したけれども、物価上昇率が高まってくればもう一段拡大させることもあり得るという微修正をにおわせるということではないか
    • 今後の金融政策については物価次第だが、金利をもう少し高めに誘導するような話が今後も出やすくなるだろう
  • 大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト
    • 無風ではあるが、今回は金融市場の不安定化を背景に景気の下振れリスクと副作用の点検を行うのが主なポイントだった
    • 物価が全体的に引き下げられているが、マクロ的な需給ギャップの引き締めに自信がないことを示している
    • 黒田総裁は粘り強く緩和を続けていくということを会見で強調するだろうが、金融機関の先行きの動向には注視していく必要があると文言が変わっている部分の意図について会見でどう発言するかに注目
    • 国債買い入れオペの変更に関しては、リスクオフの状態が収拾していない中で、火に油を注ぐようなことはしないだろう
    • 全体としては、先行きを心配している雰囲気、不確実性を意識している印象しか受けない
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