ドル・円が3週間ぶり高値圏、日米株高でリスク選好-113円台前半

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  • 日銀政策は現状維持、物価見通しを引き下げ
  • 日銀より株安に歯止めかかっているかが最大の関心事-ソニーFH

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=113円台前半と3週間ぶり高値圏。前日の米国株の大幅反発や日本株の上昇を受けてリスク選好ムードが広がり、ドル買い・円売りが優勢となっている。

  31日午後2時50分現在のドル・円は前日比0.1%高の113円28銭。ドル高・円安が進んだ海外市場の流れを引き継いで始まり、月末のドル買い需要が意識される中、仲値にかけて113円33銭と9日以来の高値を付けた。正午過ぎには、日本銀行が金融政策の現状維持を発表。同時に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では物価見通しが引き下げられた。

  ソニーフィナンシャルホールディングス金融市場調査部の尾河真樹部長は、「CPI見通しが下方修正されている状態で、正常化は遠いという印象」とした上で、「今は日銀で為替が動くというより、株安の流れに本当に歯止めがかかっているかがマーケットの最大の関心事ではないか」と指摘。「リスクオフのときはドルも同時に買われるので、株の変動に比べればドル・円の値動きは小さいが、センチメントが改善すれば今のようにじわっと円安の方が強くなってくる」と話す。

  黒田総裁が午後3時半から行う定例記者会見について尾河氏は、「昨日、米株は戻ったが、株式相場のボラティリティはまだ高く不安定な状態。そこであえて出口的なことをちらつかせることは控えるのではないか」と予想。「緩和をしっかり維持するというスタンスの発言になると思うが、だからといってすごい円安にいく話でもない」とみている。
  
  一方、みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストらはリポートで、20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上の長期金利の変動を容認するような発言があったり、午後5時公表予定の当面の国債買い入れ方針でオペの減額や回数削減が示されれば、「長期金利上昇期待を通じてドル・円の下押し材料と捉えられる」可能性はあると指摘。ただ、米利上げ局面ではドル・円は2年程度の金利との連動性が高まる傾向があるため、日本の長期金利や超長期金利が上昇しても円高の影響は限られると分析している。

  30日の米株式相場は大幅反発。S&P500種株価指数は上げを失う場面があったが、取引終盤に上昇した。月間では8%余りの下げ。31日の東京株式相場は午後に一段高となり、日経平均株価の上げ幅は400円を超えている。

  三井住友信託銀NYマーケットビジネスユニットの矢萩一樹調査役は、今月は米株が下落したため、月末のリバランスで「特に年金などのインデックスはドルを買わなければならなくなっている」と指摘。「ドルは非常に高くなりやすい」とし、日銀イベントをこなした後にドル・円が売られる場面があれば、「むしろそこは買うところ」とみている。

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