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Photographer: Tomohiro Ohsumi
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主要生保、為替リスク伴う外債投資強めるー円高抑制効果も

  • 日本生命はオープン外債を下期数千億円積み増し、明治安田は純増に
  • 第一生命、住友生命は円高局面を狙ってオープン外債に入れ替え
Japanese 10,000 yen banknotes are arranged for a photograph in Tokyo, Japan, on Monday, June 20, 2016. Japanese shares fell, with the Topix index dropping for the first time in three days, as the yen rose ahead of the U.K. decision on European Union membership and investors awaited testimony from Federal Reserve Chair Janet Yellen.
Photographer: Tomohiro Ohsumi

主要な生命保険会社が為替リスクを回避するヘッジをかけない外国債券(オープン外債)に投資する動きを強めている。ヘッジコストの高騰が背景だ。円高が進む局面では外貨建て資産をより割安に買えるため、円相場の上値を抑える役割を果たす可能性がある。

  日本生命保険は今年度下期(10月-2019年3月)にオープン外債を最大で数千億円積み増す計画のほか、明治安田生命保険は通年で純増とする。第一生命保険と住友生命保険は円高局面を狙ってオープン外債に入れ替える方針。為替ヘッジをかけた外債の保有については、各社とも減らす意向だ。

  米国の利上げが進むにつれて米国債を運用するための為替ヘッジコストが高騰し、国内機関投資家にとってヘッジ付き外債運用の魅力は低下。ブルームバーグのデータによれば、米10年物国債にヘッジを掛けると利回りがマイナス0.14%前後に落ち込む。主要生保は利回りが相対的に高い米社債や為替ヘッジコストがほぼゼロの欧州債、ヘッジなしの米国債の運用を選択肢として有力視している。

ヘッジ付き米10年物国債の利回りはマイナス圏に低下

  市場関係者の来年3月末の予測中央値は1ドル=112円と、足元の水準から大きくかい離するとはみられていないが、主要生保は一時的な円高の機会を捉えてオープン外債に投資する作戦だ。

  日本生命の秋山直紀財務企画部長は先週の記者説明会で「もう少し円高になる局面に引きつけて拾いたい」と述べ、110円を超える円高になったら購入を検討する意向を示した。明治安田生命の山下敏彦執行役副社長は、高利回りと流動性の高さを兼ね備えた米国債などがオープン外債の投資対象だと話した。

  住友生命の藤村俊雄運用企画部長は、上期に110円を若干超えた水準でヘッジ外債からオープン外債へのシフトを進めたと説明。下期も「100円飛び台の前半まで円高が進むなら段階的に買い下がっていく」と言う。第一生命の重本和之運用企画部長は「ドル建ての国債は為替ヘッジせずに機動的にやる必要がある」と指摘。購入に動く為替相場の水準が112円より円高になるのは間違いないと述べた。

  もっとも、円の対ドル相場が最後に105円を超えたのは7カ月以上も前で、主要生保が待ち望む大幅な円高局面が下期中に来るとは限らない。日本生命は日本銀行による金融緩和策の微調整を受けて金利がやや上昇した国内の超長期債にも資金を振り向ける方針で、オープン外債に投資する好機が訪れなければ他社も追随せざるを得なくなる可能性もある。

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