UBS元女性法令担当、ディール漏洩の疑い-会員制クラブが舞台か

  • 被告2人がインサイダー取引を巡り刑事責任を問われている
  • チョーカー被告は1600万円前後の利益を手にしたとFCA

スイス最大の銀行UBSグループは、「プロジェクト・ナイト」とそれを呼んでいた。英モバイル通信事業者ボーダフォン・グループに対し、ドイツのケーブル会社カベル・ドイチェランド・ホールディングの買収計画について助言を行うマンデートのことだ。

ファビアーナ・アブデルマレク被告(10月29日)

撮影:Chris J. Ratcliffe / Bloomberg

  ロンドンで開かれているインサイダー取引を巡る刑事裁判の焦点となっているのが、「グローバル・リスト・システム」と呼ばれるUBS内部のディールデータベースだ。

  UBSの元コンプライアンスオフィサー、ファビアーナ・アブデルマレク被告が、ボーダフォンによるカベル買収の可能性に関するデータベースの情報をデイトレーダーに漏らしたと英検察は主張している。

  英金融行動監視機構(FCA)によると、ボーダフォンが非公式に買収を打診したとブルームバーグ・ニュースが2013年6月に伝える8日前の段階で、デイトレーダーだったワリド・チョーカー被告はカベル株に投資し、12万5000ユーロ(現在の為替レートで約1600万円)前後の利益を手にしたという。

ワリド・チョーカー被告

撮影:Jason Alden / Bloomberg

  FCAの担当者が2日目の公判で証言したところでは、アブデルマレク被告は取引の最新情報を得るため、カベルに関する内部の入力情報を少なくとも25回検索していた。2人の被告はインサイダー取引で刑事責任を問われており、有罪が認定された場合には最高7年の禁錮刑が科される可能性がある。

  検察によれば、2人はボーダフォンのディールが発表される前にロンドンのメイフェア地区にある会員制プライベートクラブ「トランプ」で少なくとも1回会っており、アブデルマレク被告は午前3時まで自宅に戻っていなかった。

  13年6月から14年6月にかけて行われたとされるインサイダー取引に関係する5つの訴因で昨年起訴された両被告は、いずれも無罪を主張している。
  
原題:A UBS Compliance Officer, a Mayfair Club and a Secret Deal (1)(抜粋)

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