ドル・円上昇、株高やトランプ発言でリスクオフ和らぐー112円台後半

更新日時
  • トランプ発言で米中貿易摩擦警戒にいったん安心感も-NBC
  • 人民元、米中貿易問題くすぶる中で一時10年ぶり安値更新

東京外国為替市場のドル・円相場は小幅高。株価の上昇を支えにリスク懸念が和らぎ、ドル買い・円売りが優勢となったほか、トランプ米大統領の対中国との貿易交渉に関する発言も相場を後押しした。

  ドル・円は午後3時9分現在、前日比0.3%高の1ドル=112円69銭。寄付きに軟調だった日本株が上昇に転じていく中、仲値公表に向けてのドル買いも相場を支えた。午前の取引後半にトランプ大統領の米中貿易交渉に対する楽観的な発言が報道されると、112円74銭まで上伸。その後は日本株が引けにかけて上げ幅を縮小したのに合わせて、ドル・円も伸び悩んだ。

  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)は、ドル・円相場について「株価動向を見ながらの展開だが、株価は今月の下落で月末に向けてリバランスの買いが出やすくなっており、それがドル・円の上昇に寄与している」と説明。前日に米中首脳会談が進展ない場合は追加関税と報じられていた米中貿易交渉に関しては、「トランプ大統領が対中貿易に楽観的な見方を示したことがいったんは安心感を誘った」と言う。

  トランプ大統領は29日に、FOXテレビとのインタビューで、対中貿易に関して「素晴らしい取引」を見込むと述べた。これより先に報じられた関係者の話によれば、11月に予定されているトランプ米大統領と中国の習近平国家主席との会談で貿易面の対立を緩和できない場合、米国はこれまで関税対象としていなかった中国からの輸入品全てへの関税賦課を発表する用意がある。同日の米国株市場ではS&P500種株価指数が前週末比0.7%安で引けた。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、米国による対中関税について「今すぐ飛びつくような材料でもないが、11月の米中首脳会談に向けて市場の材料に対する感応度は高まっていくテーマだ」との見方を示した。

人民元は対ドルで一時10年ぶり安値

  人民元の対ドル相場は、オンショア取引で一時1ドル=6.9724元と、2008年5月以来の安値を更新した。その後は、トランプ大統領発言の報道を受けて下げ渋っている。オフショア取引では対ドルで6.97元台前半で推移となっている。

  ソシエテの鈴木氏は、人民元相場について「米中首脳会談も控えている中で、1ドル=7元の節目に向けてじわじわと元安が進む可能性がある」と指摘。「人民元安の進行はドル高につながるという面もあるが、リスクオフ材料という見方もある。資本流出やそれに伴う株安への警戒も出てくるため、パニック的な動きには注意が必要だろう」と述べた。

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