日銀ETF買い、10月は月間で過去最高-6兆円上回るペース

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  • 株価軟調10月の買入額は8676億円、3月の8333億円上回る
  • リスクプレミアム重視の運用手法か、「政策変更」ではない

日本銀行が上場投資信託(ETF)の買い入れを加速させている。設備・人材投資を含めた10月の購入額は月間で過去最高に達し、単純計算では年間購入めどとされる6兆円を上回るペースとなっている。

  今月は29日までの20営業日のうち、1回703億円の通常ETF買い入れを12回実施。これに毎営業日12億円が継続的に入る設備・人材投資ETFの合計240億円を含めた購入額は合計8676億円となり、2010年の買い入れ開始以来、月間ベースで最高だった3月の8333億円を上回った。11、12月の2カ月間を残し、日銀が年間の購入めどとする6兆円に対してすでに86%を購入した計算だ。

  10月の相場は、米国中心に企業業績の先行き不透明感が高まり、TOPIXも下落する場面が多かった。市場は、TOPIX午前終値の前日比マイナス幅をETF買い入れの一つの基準と受け止めるが、29日は前日比0.27%安の水準で実施。ただ、8月には0.43%安で買い入れを見送ることもあった。

  ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「日銀は何らかの指標でリスクプレミアムの水準を測っており、リスクプレミアムが高くなると買い入れのハードルを下げ、プレミアムが低くなると買い入れのハードルを上げている可能性がある。10月は株価が軟調でリスクプレミアムは8、9月に比べて高くなっている」と述べた。「マーケットの動向が落ち着けば年6兆円までは買わないが、そうでなければ6兆円を超えるかもしれない」と続けた。

8月の購入額減額に関する記事についてはこちらをご覧ください

  ピクテ投資顧問の松元浩常務は「日銀は前回の決定会合から、ETFに関して額のターゲットにはこだわらないという明らかな方針転換をした。従来では年間6兆円というターゲットだったが、そこから上にも下にも振れるというようにスタンスを変更した。リスクプレミアムの拡大は容認できない、防ぎたいというスタンスなのだろう」と語る。10月の買い入れ増額については「日本のファンダメンタルズは引き続き堅調だが、グローバルに株が乱高下してPERが下がっており、リスクプレミアムが拡大してきているので、日銀はETFを購入しているのではないか」とみていた。

  日銀が足元でETFの買い入れペースを拡大させたことについて、ピクテの松元氏は「ペースが上回っているからといって、それが特段、日銀の政策変更を意味するものではない」と分析。ニッセイ基礎研の井出氏も政策変更などではなく、「前回会合で買い方を変更させた」ことが背景にあると見ていた。

日銀ETF購入額が過去最高に

10月購入額は全体で8676億円

出所:日銀

10月は29日時点

(6段落に日銀政策に関するコメントを追記します.)
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