10月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、円とスイス・フランは下げ幅をやや縮小

  29日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。ブルームバーグのドル指数は年初来高値近辺に上伸した。円とスイス・フランは下落したが、朝方好調だった米国株が貿易懸念で下げに転じたことを受けて下げ幅を縮小した。

  ドルは主要10通貨のほぼ全てに対し上昇。ドル指数は前週末比で一時0.6%上昇し、2017年5月以来の高値となる場面があった。朝方発表された9月の米個人所得は前月比0.2%増と市場予想を下回ったが、個人消費支出は前月比0.4%増で市場予想に一致した。

  ニューヨーク時間午後4時30分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.6%上昇。ドルは対円では0.4%高の1ドル=112円32銭。ユーロはドルに対して0.2%安の1ユーロ=1.1384ドル。

  円はドルに対し一時0.6%安の112円56銭となったが、その後は下げ幅を縮小した。11月に予定されている米中首脳会談で貿易面の対立を緩和できない場合に備え、米国は追加の対中関税賦課を計画していると伝わり、米国株が下げに転じたのが手掛かり。30日からの日銀政策決定会合を控えたポジション調整も背景にある。

  ポンドはドルに対し上昇を維持できず、0.3%安。ハモンド英財務相はこの日の予算演説の冒頭で、緊縮財政が近く終了すると述べる一方、英国が欧州連合(EU)との離脱案で合意できなければ歳出増加計画は実現できなくなる恐れがあると警告した。

欧州時間の取引

  米賃金統計の発表を控え、メキシコ・ペソの下落を背景にドル指数が上昇。ペソはメキシコ新政権が空港建設計画を白紙に戻したことが嫌気され、一時は対ドルで2%余り下げた。ドイツのメルケル首相が党首選で再選を目指さない意向を表明したとの報道が消化される中、ユーロは前週末の水準を挟んでもみ合った。

  レバレッジ系のファンドが10月に入って初めてドルのネットロングを増やしたことが、ブルームバーグがまとめた米商品先物取引委員会(CFTC)データで明らかになった。

原題:Dollar Holds Gains as Havens Stage Modest Comeback: Inside G-10(抜粋)
Dollar Climbs as Mexican Peso Slides, Euro Swings: Inside G-10

◎米国株・国債・商品:株続落、追加の対中関税報道で-原油反落

  29日の米株式相場は続落。S&P500種株価指数は調整局面入りぎりぎりの水準となった。トランプ政権が追加の対中関税を計画しているとの報道を受け、ハイテク株が大きく下げた。

  • 米国株は続落、S&P500が調整局面入り寸前
  • 米国債はほぼ変わらず、10年債利回り3.09%
  • NY原油は反落、ロシア発言で供給超過への警戒広がる
  • NY金は反落、ドル高を嫌気

  
  S&P500種は一時、最高値からの下げが11%となったが、取引終了間際の15分間で下げ渋った。ダウ工業株30種平均も一時は500ドル余り下げ、調整局面入りの領域となる場面があった。ナスダック100種指数は5月以来の低水準。

  S&P500種が前営業日比0.7%下げて2641.25で終了。ダウ平均は245.39ドル(1%)安の24442.92ドルで終えた。ナスダック総合は1.6%安。午後4時54分現在、米国債市場では10年債利回りが1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.09%。

  ニューヨーク原油先物相場は4営業日ぶりに下落。ロシアのエネルギー相が石油輸出国機構(OPEC)主導の生産縮小は尚早だと指摘したことが売りを誘った。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物12月限は55セント(0.8%)安の1バレル=67.04ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント12月限は28セント下げて77.34ドル。

  ニューヨーク金先物相場は反落。ドル高から圧力を受けた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.7%安の1オンス=1227.60ドルで終了。月間では3月以降で初めて上昇している。

  ブルームバーグの報道を受けて、株式市場では売りが強まった。11月に予定されているトランプ米大統領と中国の習近平国家主席との会談で貿易面の対立を緩和できない場合、米国は中国からの輸入品でこれまでの関税の対象となっていなかった品目全てへの関税賦課を12月初旬までに発表する用意があると、事情に詳しい関係者3人が明らかにした。

  株式相場は業績の天井感や金融緩和の終了、金利上昇などを巡る懸念に圧迫されていたが、同報道を受けて憂慮する声が強まった。これまで1カ月に及ぶ株安で、時価総額は世界全体で8兆ドル余りが吹き飛んでいる。

  最近の売りで割安感が出ているとの見方から午前中は上昇したが、午後の取引で上げを失い、強気派はなお劣勢に立たされている。

  ウェルズ・ファーゴの株式戦略責任者、クリストファー・ハービー氏は「それほど弱くはない絶望感がある」と指摘。「買い材料は残っておらず、金融当局の行動も相場を圧迫し、地合いは悪くなる一方だろう」と述べた。

原題:U.S. Stocks Fall, Tech Sinks on Fresh Trade Angst: Markets Wrap(抜粋)
Oil Declines as Russia Fuels Concern Global Supplies Will Bulge(抜粋)
PRECIOUS: Gold Trims Month’s Gain as Dollar Firms, Equities Reel(抜粋)

◎欧州債:イタリア債上昇、格付けを維持-英国債とドイツ債は下落

  29日の欧州債市場ではイタリア債が上昇、中期債が買いを集めた。S&Pがイタリアのソブリン格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」に引き下げたものの、格付け自体は投資不適格(ジャンク)級から2段階上の「BBB」を据え置いた。ドイツ債は下落。メルケル時代の終わりが財政規律の緩和につながるとの見方が背景。

  • イタリア債利回り曲線は5年債以降でブルスティープ化。10年債利回りは約4週ぶりの水準に低下した。株価指標FTSE・MIB指数は欧州主要株価指数を上回る伸び率だった。金融株や情報技術、通信銘柄が上昇した
  • ドイツ債は下落、値動きが不安定な一日だった。メルケル首相は2021年までの任期を全うするが、与党キリスト教民主同盟(CDU)の党首を退く意向を表明し、12月の党大会で党首選挙に出馬しないことを明らかにした。市場では政府支出の拡大につながるとの懸念が高まった。
  • 英国債は下げ幅を縮小、パフォーマンスはドイツ債、米国債を上回った
  • ドイツ10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して0.38%、フランス10年債利回りは1bp上げて0.74%、イタリア10年債利回りは15bp下げて3.30%
  • ユーロ参加国の国債利回りとスプレッドの一覧はこちらをクリックしてください

原題:BTPs Rally, Bunds And Gilts Decline; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

(NY外為と米国株・国債・商品を更新します.)
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