債券トレーダー、FOMCの利上げ見通しに疑念-雇用統計がリスク

  • 市場が織り込む2019年の米利上げ、2回未満に-当局は3回
  • 10月平均時給、前年比3.2%増予想-09年以来の大きな伸び

米国株が売り込まれる状況が続く中、債券市場では米金融当局の引き締め見通しに対する信頼感が失われつつある。

  債券トレーダーが見込む2019年の米利上げ見通しが先週、後退した。失望を誘う企業決算を受けてS&P500種株価指数が26日に一時、9月に付けた過去最高値から10%下げたことなどが背景にある。市場が現在織り込む来年の利上げ回数は2回未満(1回当たり0.25ポイント)となった。直近の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示された当局者の見通しは3回。

  2023年末までのインフレ率に対する市場予想を示す5年物ブレークイーブンレートは26日、1月以来の低水準となった。これはFOMCの政策が抑制的過ぎると、一部の投資家が既にみていることを示唆する。

  TDセキュリティーズは、大幅な株安が続いた場合は12月の追加利上げの是非を巡る議論が激しくなる可能性があると指摘する。ユーロダラーのオプションもそれを強く示唆しており、トレーダーは金融当局が同月の利上げを見送る可能性を考え始めている。

  TDセキュリティーズのグローバル金利戦略責任者プリヤ・ミスラ氏は「先週のような週がもう一度あった場合、金融環境がタイトになるため、12月の利上げ確率は50%に低下する」と予想。市場の流動性が一段と低下する兆しに金融当局は注意を払うとの見方を示した。

  債券の強気派にとってのリスクは、11月2日に発表される10月の米雇用統計だ。ここで労働市場の強さや賃金の伸び加速が確認されると、引き締め観測が再び強まり得る。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によれば、平均時給は前年同月比3.2%増と、09年以来の大きな伸びとなる見通し。9月は2.8%増だった。

  ただ、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルの米州債券戦略責任者ジョージ・ゴンキャルベス氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「12月の利上げを見送るには多くの理由が必要となる。従ってこれは既定路線だ」と指摘。「情勢が一段と荒れたら恐らく米金融当局はいったん停止するだろう。ただ、それはどちらかと言えば19年に入ってから向き合うことになる話だ」と述べた。

原題:Bond Traders, Spooked by Tumult in Stocks, Doubt Fed’s Rate Path(抜粋)

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