トランプ大統領が薬価抑制案を発表-メディケア負担、国際指数に連動

  • 11月の米中間選挙を控えて薬価は大きな争点に
  • 他国による「世界的なたかり行為」に歯止めをかける-トランプ氏

トランプ米政権は、抗がん剤など多くの高額医薬品について高齢者・障害者向けの公的医療制度が負担するコストを引き下げる提案を発表した。薬価がより厳格に統制されている欧州諸国並みの低い水準に抑えることが狙い。

  トランプ大統領はこの新制度を通じて、米国の患者や納税者による負担で開発された医薬品による恩恵を諸外国が享受する「世界的なたかり行為」に歯止めをかけたいと述べた。カイザー・ファミリー財団によると、高齢者医療保険(メディケア)は米国の高齢者や障害者5000万人余りに利用され、2015年には米政府の医薬品向け支出3250億ドル(約36兆5300億円)の約3分の1を占めた。

  ワシントンの厚生省本部で演説したトランプ大統領は「きょう公表する措置で米国は最も不公正な慣行の1つについに立ち向かうことになる」とした上で、「同じ会社、同じ箱、同じ薬、同じ製造拠点であるのに、一部の国ではわれわれが支払っている価格の20%で入手できることを私は全く理解できない」と語った。

  メディケアが薬価を負担する制度には2つのプログラムがある。「パートD」は薬局や通販で受け取る処方薬、「パートB」は医療機関で投与される薬が対象だ。後者のプログラムでは医薬品価格プラス6%の額がメディケアから支払われており、こうした仕組みは医師が高額医薬品の処方を増やし、医薬品メーカーが価格を高めに設定するインセンティブにつながっているとの批判がある。

最終的に薬価30%引き下げ目指す

  トランプ政権の提案は、「パートB」での一部医薬品向け支払いを「国際薬価指数」に基づいて行い、当局によって薬価がより厳密に統制されている他国の水準により近づけるというもの。厚生省によると、こうした措置で米政府は5年間で172億ドルを節減できる見通し。

  薬価は米国で大きな争点になっており、中間選挙まで2週間を切る中でトランプ氏はこの問題を繰り返し取り上げている。同氏は欧州諸国では薬価が米国よりずっと低く、結果的に米消費者がより多く支払っていると指摘。厚生省が25日公表した報告書によると、メディケアは一部医薬品について他国の約2倍の価格を支払っている場合がある。

  大統領の演説後にアザール米厚生長官は新たな薬価モデルの試行について、まず製薬会社1社の医薬品を対象に全米の半分の地域で始めると説明。最終的に薬価を30%引き下げることを目指すとした。

  バイオテクノロジー企業の団体であるバイオテクノロジー・イノベーション・オーガニゼーション(BIO)のトップ、ジェームズ・グリーンウッド氏は、今回の提案はイノベーションおよび患者の利益を損なうものだとコメントした。

原題:Trump Proposes Setting Some Drug Prices Using Global Index (1)(抜粋)

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