ECB、将来的な金利設定方法の検討開始-金融危機に伴う状況変化で

  • 金利フロアーかコリドーのアプローチか、バランスシートの規模が鍵
  • 米連邦準備制度や英中銀の経験がECBの道しるべになる可能性も

欧州中央銀行(ECB)は金融危機が同中銀の金利コントロール方法を恒久的に変えてしまったかどうかについて考え始めている。

  金融システムへの10年にわたる資金大量供給により市場金利には非常に大きな下押し圧力がかかったため、政策当局にできるのは金利の下限を設定することだけになった。市中銀行が中銀に滞留させる資金に対するマイナス金利がそれだ。ECBは中銀預金金利をマイナス0.4%としている。しかし、流動性引き締めによって金利をコントロールするシステムに戻るかどうかをECBも米連邦準備制度やイングランド銀行(英中銀)と同様にこれから検討しなければならない。

  議論の核心は、中銀が大規模なバランスシートと広範囲にわたる政策ツールを備えた方がよいか、それとも短期金融市場を阻害することを避けるため規模を縮小すべきかという点だ。その答えは金融政策の信頼性に長期的な影響を与える可能性が高い。ロンバー・オディエのジュネーブ在勤チーフエコノミスト、サミー・チャー氏は「中銀のバランスシートの規模は決して、危機以前の水準にはならない。それが今やほぼ現実だ」と述べた。

  事情に詳しいユーロ圏当局者が匿名で語ったところによると、ECBスタッフは金融政策の枠組みについて既に見直している。ECB報道官はコメントを控えた。クーレECB理事は先月のスピーチで、将来の枠組みは重要な判断であり「時間と慎重な検討が必要になる」と述べていた。

  景気刺激策による流動性の膨張で、銀行システムにある超過準備は2兆ユーロ(約255兆円)近くに上っている。危機前は事実上ゼロだった。ECBと連邦準備制度、英中銀は以前、いわゆるコリドーシステムを採用していた。短期金利を一定のコリドーの中央にほぼ維持するよう流動性を管理するためだった。しかし英中銀は2009年にこの枠組みを変更し、翌日物預金と市中銀行向け貸し出しに同じ金利を使用している。
  
  連邦準備制度は08年以降、いわゆる「ソギー・フロア」に徐々に転換。連銀に直接資金を預けることのできない資産運用会社や住宅関連の政府支援機関(GSE)などノンバンクセクターの多額資金で、短期市場金利が超過準備の付利(IOER)を下回る事態が生じたためだ。流動性を吸い上げる新たなテクニカルツールも導入した。

  ラボバンクのアナリストは24日、20年にユーロ圏に新たな翌日物貸出金利が導入された後、こうした手法がECBのモデルになる可能性があると分析した。

Operating Framework

Liquidity measures have changed the way the ECB controls market rates

原題:Post-Crisis ECB Considers How It’ll Set Rates in the Future (1)(抜粋)

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