円買い優勢、日米株急落でリスク回避-対ドルで一時約1週間ぶり高値

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  • ドル・円は111円台半ばを死守できるかが焦点-外為どっとコム総研
  • ECBの悲観トーン強まれば株安・円高の悪循環も-上田ハーロー

東京外国為替市場では円買いが優勢。前日の米国株に続き日本株が急落したことで、リスク回避の動きが強まった。ドル・円は一時1ドル=112円台を割り込み、今月16日以来の円高水準を付けた。

  25日午後3時32分現在のドル・円相場は前日比0.2%安の112円06銭。112円台前半で東京市場を迎えると、日本株の下落を背景に一時111円82銭まで円買いが進行。その後、大幅下落で始まった中国株が下げ渋りに転じたことで112円台を回復した。

  外為どっとコム総研の神田卓也調査部長は、「このところの一連の株安はチャイナ・ショックなどと名前が付いた過去の局面と違って原因がはっきりせず、その分たちが悪い」と指摘。「きょうも円続伸のリスクは当然警戒しなければならない」とした上で、ドル・円の111円台は日本の実需の買いの観測もあり、100日移動平均線の通る111円台半ばを死守できるかが焦点になると話した。

  24日の米株式相場はS&P500種株価指数とダウ工業株30種平均が年初来の上げを失った。株安の流れは25日のアジア市場にも波及。東京株式市場は急落して始まり、日経平均株価は800円を超える下げとなった。一方、中国の上海総合指数は一時2.8%安を付けた後、下げ幅を縮小。同時刻現在は0.1%安となっている。

  三井住友銀行の山下えつ子チーフエコノミスト(ニューヨーク在勤)は、米国株の下落について、関税や賃金などコストが上昇することで企業収益が圧迫されるという見通しがセンチメントを悪化させていると指摘。「株が収まらないと、ドル安・円高になりやすい」と語った。

  ユーロ・円相場はほぼ横ばいの1ユーロ=127円92銭。一時は127円50銭と約2カ月ぶりの水準までユーロ安・円高が進んだ。一方、ユーロ・ドルはじり高。前日の海外市場ではユーロ圏の総合購買担当者指数(PMI)の下振れを受けて、1ユーロ=1.1379ドルと8月17日以来の水準まで下落したが、25日の欧州中央銀行(ECB)の政策委員会を前に、この日の東京市場では1.14ドル台前半へ水準を切り上げた。

  今回のECB政策委員会については、金融政策の現状維持が見込まれている。山下氏は、「株式相場にもみられるようにグローバルに経済の先行きにやや不安が生じている状態で、来年の利上げ開始などに対する政策に何か影響が及んでいるかをチェックすることと、イタリアの政治、予算案について、どの程度リスク要因として見ているかということは注目点になる」と指摘。上田ハーローの小野直人ストラテジストはリポートで、景気見通しに対する悲観的なトーンが強まれば、「投資家の逃避志向を高める危険」があり、株安から円高の悪循環には警戒が必要としている。  

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