トランプ大統領の対中圧力、習主席に経済減速の言い訳を与える恐れ

  • トランプ大統領は市場開放を促すため圧力を加えた
  • 「最大限の圧力でも習主席は追い詰められない」と識者
Photographer: Kyodo News/Kyodo News Stills
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トランプ米大統領が目指している中国経済の弱体化は同国に市場開放を促すことが狙いだった。しかし、この狙いは外れ、中国の習近平国家主席に経済状況が悪化した時に使える言い訳を与えてしまったようだ。

トランプ米大統領(右)と習近平・中国国家主席

撮影者:共同通信社ニュース/ゲッティイメージズ

  中国経済はこの数カ月間、鈍化の兆候を示しており、7-9月(第3四半期)は金融危機のさなかの2009年以来の低成長率にとどまった。成長鈍化はトランプ氏が大統領に就任するかなり前から中国共産党や市場オブザーバーが予想していたものの、数十年間にわたる急成長に慣れて育った世代にとっては不安の種となった。

  習氏は約6年前に国家主席に就任して以来、一部セクターで海外との競争を徐々に許可していく一方、他のセクターでは中央集権化を進めるという自分の構想を忠実に推し進めてきた。中国の国有企業支援の再確認や国際刑事警察機構(インターポール)の孟宏偉総裁の身柄拘束、イスラム教徒の拘束合法化といった最近の動きを見ると、習主席は迅速な市場改革や人権の尊重などを求める声を意に介していないようだ。

  デンバー大学ジョセフ・コーベル国際研究大学院の趙穗生氏は「貿易戦争を背景に、習主席は政治とイデオロギーの一段の安定化を図る可能性が高い。政治的な異論を一切認めず、絶対権力を強化するだろう」と指摘。「トランプ大統領の最大限の圧力でも習主席は追い詰められないだろう。それどころか、中国の成長鈍化はトランプ大統領のせいだと格好の言い訳に使われる」と説明した。

原題:Trump Giving Xi Someone to Blame for China’s Slowing Economy (1)(抜粋)

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