野村出身の柴田氏、「エンゲージメント」で日興アセットの成長率いる

  • 柴田氏の下で運用資産は1640億ドルから2160億ドルに増えた
  • 企業に変革を迫る前に、自ら襟を正したいと考えたと同氏

2014年に日本版スチュワードシップコードが導入された後、日本の大手資産運用会社は少しずつ変わり始めた。

柴田拓美氏(2017年5月2日、カリフォルニアで)

Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

  日興アセットマネジメントが一例だ。社長兼最高経営責任者(CEO)を務める柴田拓美氏は野村ホールディングスの出身。インサイダー取引スキャンダルを巡り野村の最高執行責任者(COO)の職を去った。

  柴田氏の下で日興アセットは取締役会を刷新。今では10人のメンバーのうち5人が非執行役員だ。日興アセットは調査チームも強化。同チームは投資先企業との「エンゲージメント」を担う。同社は戦略や資本方針などについての協議を持つ対象の企業も約2100社と500社前後から増やした。 柴田氏によれば、同業他社では400社程度だという。

  東京でのインタビューで柴田氏は「当社は極めて真剣で強いコミットメントを持っている」と語った。企業に変革を迫る前に、自ら襟(えり)を正したいと考えたと述べた。

スチュワードシップコード

  日本の資産運用会社は伝統的に投資先企業に干渉しなかったが、安倍政権がスチュワードシップコードを導入。これは資産運用会社に対し、投資先企業に収益性改善や余剰資金の投資または投資家への還元を働き掛けるよう求めるものだ。15年には企業が守るべき行動規範を示したコーポレートガバナンス・コードも導入された。

  野村資本市場研究所の西山賢吾主任研究員は日興アセットのスチュワードシップ活動について、「カバーというのが担当している企業を意味するのであれば、大手運用会社の場合は2000ぐらいはあると思う。時間をとって話をするというエンゲージメントを意味するのであれば、なかなかできないはず。そこまで対応できているのであれば、それはかなり活動に力を入れているということになる」と話した。

  日興アセットは主に企業の経営陣と接触するための調査チームを8人増員。また、委任投票に関する委員会を設置。同社によれば、この委員会の下で日興アセットは17年7月から今年6月までの間に経営陣の提案の16%に反対した。業界平均は約12%だという。

  柴田氏は13年7月に執行会長として日興アセットに加わり、翌年に社長兼CEOに就任。同氏の下で運用資産は2160億ドル(約24兆2800億円)と、それ以前の1640億ドルから増えた。

  柴田氏は、ガバナンスとエンゲージメント改善への取り組みが日興アセットの成長に寄与したとして、拡大を後押しした「数多くのことの一つだ」と語った。

Big Guns

Japan's top-five investment houses by AUM

Source: Companies' websites

Note: Figures are most recent disclosures of AUM by companies.

原題:An Ex-Nomura Banker Makes Changes at $216 Billion Money Manager(抜粋)

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