円上昇、米株先物やアジア株下落でリスク回避圧力-ドル112円台半ば

更新日時
  • ドル・円は112円41銭まで円買いが進行
  • ユーロ下落、イタリア予算巡る懸念で-初の是正勧告受ける公算

東京外国為替市場では円が上昇。中国株が反落し、米株先物や日本株が下げ幅を拡大する中、リスク回避に伴う円買いが強まった。

  円は主要通貨全てに対して上昇。ドル・円相場は朝方付けた1ドル=112円84銭から112円41銭まで円買いが進み、午後3時32分現在は112円44銭前後となっている。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「政治を巡る不安が欧州や中国、中東などいろいろなところから出ており、市場の雰囲気を悪くしている」と指摘。ドル・円は株式市場の反応を見ながら「リスクを計っている」状態で、日本株が大きく下げている中で「中国株が下げるとリスクオフになりやすい」と話した。

  23日の東京株式相場は大幅反落し、日経平均株価は604円安で取引を終えた。米株価指数先物も下落。アジア株は全面安で、中国当局の支援表明を受けて前日に4.1%高と2016年3月以来の大幅高を記録した上海総合指数は2.2%安となっている。

  前日の海外市場ではイタリア予算案や英国の欧州連合(EU)離脱交渉を巡る不透明感から欧州通貨が売られる中でドル高が進行。ドル・円は一時112円89銭と今月10日以来の高値を付けたが、その後は米国株の下落もあり、伸び悩んでいた。

  IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、VIX指数(ボラティリティ指数)は反落したが、米国株は堅調とは言い難く、中国株も「刺激策による景気底上げがプラス要因」であるものの、上昇の持続性には疑問があると指摘。こうした中、「日経平均株価軟調でドル・円は上値が重い」とし、目先は10日移動平均線(ブルームバーグのデータでは112円35銭)が下値のめどになると語った。

  ユーロ・円は1ユーロ=129円を割り込み、一時128円61銭までユーロ売り・円買いが進行。ユーロ・ドルも1ユーロ=1.1439ドルまで弱含み、今月9日に付けた8月以来の安値(1.1432ドル)に接近している。

  EUの行政執行機関、欧州委員会は23日にもイタリアに対し、予算案を取り下げて修正し、再提出するよう正式に求めるかどうかを決定する。欧州委が加盟国に予算の修正を求めた例は過去にない。上田ハーローの小野直人ストラテジストはリポートで、イタリアは対話の必要性を呼びかけており、一触即発までには至っていないが、EU側もすんなりと予算を承認するとは考えづらいと指摘。EUの回答次第ではイタリアの金融市場を通じて、リスク回避の流れが強まる危険があるとみている。

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