新型アイコス発売、課題は保守的な層の取り込み

  • 11月15日に日本で2機種を追加、10本の連続使用も可能に
  • 専用スティックでは新ラインアップも-マールボロより30円安く
Philip Morris' new IQOS smokeless tobacco device. Source: Philip Morris International Inc.
Source: Philip Morris International Inc.

米たばこメーカー、フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)のアンドレ・カランザポラス最高経営責任者(CEO)は、ブルームバーグとのインタビューで、加熱式たばこ「アイコス(IQOS)」の販売拡大では、新しい機器の使用に慎重な層の開拓が課題との認識を示した。

  加熱式たばこに消極的な層を取り込むため、同社はアイコスで新たに2種類の機器を日本で11月15日に発売すると発表。従来型と同様に充電器と専用たばこの加熱用ホルダーが分かれている「アイコス3」では充電時間を15%削減。充電器とホルダーが一体となり、専用のたばこスティック10本を連続して吸い続けられる「アイコス3・マルチ」も発売する。

  日本はPMIにとって500万人以上のユーザーを抱えるアイコスで最も成功した市場。しかし、アイコスの売り上げの成長鈍化により4月には株価が大幅に下落していた。18日に発表した7-9月期の決算では利益と売上高が予想を上回り、22日の株価終値は6月につけた年初来最安値から14%上昇している。新製品発売で売り上げの成長拡大を目指す。

  これまで「マールボロ」ブランドで500円で販売している専用たばこスティックについて、価格が30円安い新ラインアップ「ヒート」を追加することも発表。カランザポラス氏は「日常的に吸いたいが価格は抑えたいという人向け」だとし、「あえてマールボロのブランドを掲げるのではなく一般的な名前にした」と説明した。

  同氏は、喫煙者がアイコスに消極的な理由は価格ではなく、紙巻きたばこと比べた際の優位性が理解されていないためだと指摘。「保守的な層」にどうやって良さを伝えていくかが今後の課題となると話した。さらに「われわれはアイコスの導入で後戻りできないような変革をもたらしたと信じている」と述べ、10年後には市場は加熱式たばこに完全に移行しているとの見通しを示した。

  PMIは2016年12月、米食品医薬品局(FDA)に対し、リスクの低いたばこ製品としてアイコスを販売する許可を申請。カランザポラス氏は現時点で同局からの反応は「特にない」と話し、販売が許可されれば「科学的実証に基づく信頼が得られることとなり、加熱式たばこへの移行は加速するだろう」としている。

  世界全体で見るとアイコスの全ユーザーの半分以上が日本人だという。カランザポラス氏は、日本以外で普及が遅れている理由について各国の規制などが影響していると説明。さらに「全国展開をするに至っていない国もあるため、今後は販売のインフラを整備して来年に向けて販売を加速させたい」と話した。現在、アイコスは韓国、ギリシャ、イタリアやモスクワなどで販売しており、ロシアでは今後全国展開を目指す方針だという。

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