サウジ政府系ファンド、カショギ氏不審死の影響見通せず-QuickTake

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  • 経営トップ含むバンカーやビジネスマンがFIIへの出席を見送り
  • 評判へのリスクという犠牲もいとわない企業が出てくる可能性も
Photographer: Simon Dawson
Photographer: Simon Dawson

サウジアラビアの政府系ファンド(SWF)パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)は、国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)の遅れに伴い、投資の原資として期待していた1000億ドル(約11兆2600億円)の資金が直ちに得られそうにない状況だ。

  サウジの反体制ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の不審死への国際的な反発を受けて、ブラックストーン・グループブラックロックウーバー・テクノロジーズなどの経営トップを含むシニアバンカーやビジネスマンらが、23日に開幕するPIFの投資フォーラム「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ(FII)」への出席を相次いで見送った。これがPIFの将来に投資にとって何を意味するのか、現時点ではまだはっきり分からない。

Q:PIFの投資先はどこか?

A:米電気自動車(EV)メーカーのテスラに5%(約20億ドル相当)、同社のライバルであるルーシッド・モーターズに10億ドル相当出資し、ウーバーにも35億ドル投資。ブラックストーン・グループが運営する米インフラファンドにも最大200億ドルの拠出を約束した。
 
  ソフトバンクグループが設立し、先端テクノロジーに投資する「ビジョン・ファンド」については、最大450億ドルを出資することを前提に資金パートナーとなった。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は10月初めのブルームバーグとのインタビューで、第2のビジョン・ファンドにも同規模の投資を行う意向を明らかにした。

Q:カショギ氏の不審死のPIFへの影響は?

A:リヤドで今週始まる投資フォーラムの出席リストの人数が少なくなったことを除けば、影響はまだ明らかでない。キャピタル・エコノミクスの新興国市場シニアエコノミスト、ジェーソン・トゥービー氏は、PIFはグローバル市場のプレーヤーとしての重要度が増しており、投資を確保するために評判へのリスクという犠牲もいとわない企業が出てくる可能性が高いと分析する。

  資産家のリチャード・ブランソン氏は、ヴァージン・グループの宇宙探査部門への10億ドルの投資を巡るPIFとの協議を中断することを決定。事情に詳しい関係者の1人によれば、ハリウッドの芸能プロダクション、エンデバーも4億ドル相当の投資契約の解除を検討しているという。

A:サウジアラムコのIPOに代わる資金獲得手段はあるか?

Q:PIFが保有するサウジ基礎産業公社(SABIC)の株式70%をサウジアラムコが取得すれば、700億ドルの売却収入が得られる可能性があり、他のサウジ上場企業の株式を手放すこともあり得る。9月には110億ドル相当を起債し、初の借り入れによる資金調達を行ったが、借金も選択肢となる。

Saudi Wealth Fund Deals

Number of deals each year and total value

Source: Sovereign Wealth Fund Institute

Note: 2017 data skewed by investment into SoftBank fund


原題:What’s Next for Saudi Arabia’s Sovereign Wealth Fund: QuickTake(抜粋)

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